Vol.183「憐れみ」より「魅力」で付き合おう | NPO法人コモンビート
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Vol.183「憐れみ」より「魅力」で付き合おう

DEAR(開発教育協会)の評議員を2年前から務めている私。
DEARの会報誌にエッセイを載せました。
理事&評議員のリレーエッセイというコーナーがあって、私の順番が回ってきたってわけです。
人と関わる上で、ボランティアで何かに関わる上で、私が大切にしている「心得」を書きました。
紹介します!
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韓朱仙
NPO法人コモンビート代表理事
魅力を探る「開発教育」を!
7年前、地球一周をとおして世界を学ぶ船旅(NGOピースボート)のスタッフを務めていました。
その頃、パレスチナの若者と出会いました。彼は、ピースボートが呼んだゲストでした。命がけで国を飛び出して来日し、一緒に船に乗り込み、パレスチナとイスラエルの現状を語ってくれました。それがピースボート側の「望み」ではありましたが、どうやら彼の「望み」とは少しズレがあったように感じました。それは私が彼ととても親しくなり、本音を聞けたから感じたことです。
報道で知るパレスチナの現状は苦しいものばかりです。でも彼が見せてくれた写真はとても美しく、お話も楽しく、彼との会話からは「お国自慢」がたくさん聞けました。
私は思わず「いいな」、「行ってみたいな」とたくさん発していました。
彼はとても喜びながら、「僕は、自分の国を憐れんでほしいとは思わない。魅力を伝えたいんだ。」と言いました。
彼との出会いをとおして大きな気づきがありました。
どんな関係でも「かわいそう…」と思われるより、「いいな!」と思われたほうが嬉しいです。
「問題」に取り組むエネルギーだけでは、お互いが苦しくなりがちです。どんなことに取り組むときも「魅力」を探るエネルギーを同時に持ち続けたい。
一対一の人とのつながりもそうです。同情だけのつながりは持続可能ではありません。お互いの魅力を見つけ合うつながりこそが持続可能だと思います。
国と国のつながりも現状を学びながらも、魅力と感動に包まれた関係性をつくれたら素晴らしいと思います。そんな「開発教育」、目指したいです。