人生アンサンブル_17 14年ぶりの再挑戦!変わらない価値と大きな変化 | NPO法人コモンビート
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人生アンサンブル_17 14年ぶりの再挑戦!変わらない価値と大きな変化

ダイバーシティ&インクルージョンは、わたしとあなたのこと──。コモンビートは、「わたしとあなた」という一人ひとりを起点にして、個性を響き合わせ、多様な価値観を認め合うことを目指しています。主要な活動である100人100日ミュージカルプログラムの参加者が、具体的に何を経験し、学び、そして仕事や人生にどんな変化を起こしているか。「人生アンサンブル」では、参加者の生の声をもとに、コモンビート広報室がお届けしています。


自分を普通ではない社会人にした、あの場に再挑戦!

今回の人生アンサンブルの主人公は、ファイナンシャルプランナーとして株式会社FREEDを経営する「しょーたろー」です。「お金なんかに左右されない人生を」とコンセプトに掲げ、相談者に合わせて助言する毎日です。彼は、14年前にコモンビートのミュージカルの舞台に立ち、今回は久しぶりの参加。なぜ、このタイミングで再挑戦を決めたのでしょうか?

「2023年7月に新しく会社を設立しました。こうして独立したことで、以前とは違って土日に時間を取れるようになりました。自分を良い意味で『普通ではない社会人』にしたコモンビートのミュージカルに再挑戦し、独立に勢いを付けたかったのかもしれません。

あと、娘がコモンビートのミュージカルの大ファンで、『パパ、もう一回でてよ』と何度も言われていました。プロではない初対面の市民が集まり、あそこまでのパフォーマンス、エネルギーを出せることをあの子に直接見せたい、と思いました」

しっかりと考え、言葉を噛み締めるように語る様子がすてきなしょーたろー。彼は、大学卒業後に大手広告代理店へ入社し、同じ年にコモンビートのミュージカルにも参加しました。まったく見ず知らずの人たちとチームを組み、歌、ダンスの稽古で土日を過ごし、100日後にはお客を呼べる舞台へと突き進む。この経験が、しょーたろーを普通ではない社会人にしました。もともと話すことが好き、数学も得意、政治・経済にも明るいという事で、ファイナンシャルプランナーへキャリアを軌道修正し、今に至ります。

初めてキャストとして出演した12期東京プログラムの公演での様子

D&Iを前面に、何だかムズムズする!?

14年ぶりとはいえ、れっきとした経験者であるしょーたろー。久しぶりに参加したコモンビートのミュージカルに、どういう印象を持ったのでしょうか?

「最初に思ったのは、『コモンビートに集う人たちは、相変わらず優しいな』です。見ず知らずの市民100人が集まって1つの作品を創る過程では、色んなことが起こります。時に和気あいあいとすれば、別の時には思いが強くてぶつかります。

たとえ険悪な雰囲気になっても、『相手の良い所を見つめ、言いたい事をまずは聞こう』と対話を絶やさないのがコモンビートです。さまざまなワークショップや場づくりによって、チームビルディングを促進しているのは、本当にすごいと思います」

一方、大きく変わった点もあったようです。それはD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を前面に出し、参加者においても、目の見えない人や、車椅子ユーザーなど多様性が増したことです。これに対して、しょーたろーは「ムズムズする」と感想を教えてくれました。どういうことでしょうか?

「プロではないとはいえ、お金を払ってコモンビートの舞台を観るお客さんがいます。だから、それに応えられるパフォーマンスを出すべきだと思います。そのために、100人が100日間に努力を集中して、当日はエネルギーを爆発させます。

自分はこれまでの人生で、障害を持つ人たちとコミュニケーションを取り、一緒に何かを創ったことがありません。そのため日々手探りが続き、これまでにない貴重な学びになっています。その学びと『パフォーマンスの向上』をどう結び付けられるのか、自分でも模索中で何だかムズムズしています」

多様性の良さを認め、学びを深めている。同時に、エンターテインメントとして魅せられる舞台にするため、集中も必要。しょーたろーの葛藤が、ひしひしと伝わってきました。

14年ぶりに参加する59期東京プログラムの練習にて

いい感じにカオスに!? 次は、あなたの番だ!

間もなく本番を迎えるしょーたろーに、稽古の状況や、仲間のことを聞きました。すると──。

「残り40日をきって、あちこちで議論が飛び交い、直接的に言えば『ぐちゃぐちゃ』してきましたね。たとえば、これまで控えめだった若手メンバーが、どんどん意見を発信し始めて、すごい成長していると感じます。

そんな中で、自分は今回もらった役割である『赤大陸の権力者』を全うし続けています。突っ走る背中をみせて、みんなを引っ張るのが性に合っていますからね」

まさに適材適所で、それぞれが得意なことを発揮して、1つの共有された目標に向かっているようです。では、しょーたろーたちの舞台を観にくるお客さんには、どういう気持ちになってほしいのでしょうか?すると、「うーん」としばらく唸った上で、次の言葉が返ってきました。

「もちろん、感動して欲しいです。だって、普通の市民が集まって100日でこれだけの舞台を創るのだから。そして、『自分も出たい!』と思って欲しいですね。そこまで思うということは、記憶の深い所に刺さり、その人にとってかけがえのない時間、空間になったということだと思うからです。

コモンビートのプログラムは、一度は経験するべきだと思います。普通ではない社会人になった自分が、自信を持ってすすめます。企業勤めなどでは得られない、学び、思いが待っています。次は、あなたの番です、ぜひ舞台を観に来てください」


しょーたろーをはじめとした個性豊かなキャストが出演するミュージカルの情報はこちら!

■ミュージカル「A COMMON BEAT」第59期東京公演

日程:2月10日(土)・11日(日)
会場:北とぴあ さくらホール
詳細:https://musical-acb.com/
観劇サポート(音声ガイド・字幕)あり