vol.70「10年ぶりの手紙」 | NPO法人コモンビート
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vol.70「10年ぶりの手紙」

10年前、小学校の担任の教師だった。
その「熱血教師」だった頃の生徒から突然手紙が来た。本当に突然!
名前は、リャン・ヨンエという子。明るくて元気で、字がきれいな女の子だった。10年ぶりに思いがけず消息を知ることになった。
手紙には、この4月から四国の学校で新米先生になったと書かれていた。手紙の字もさらにキレイになっていた。
「・・・
教師になった動機は、小学校3・4年生の時の学校生活にあります。
ハンチュソン先生と過ごした2年間は本当に楽しく、まだ幼かった私の頭にもしっかり記憶に残ってます。
・・・
15年間、民族教育を受けてその恩を返したい、先生のような教師になりたいと決心して、この春から教壇に立つことになりました。
先生との出会いは、私の人生観の確立に大きなきっかけをくれています。感謝でいっぱいです。
・・・」
と、色々な思い出も織り交ぜながら3枚に渡る心のこもった手紙を書いてくれた。
思わず涙が出た。
ランドセルを背負ってる小さなヨンエしか思い出せないけれど、四国できっとステキな先生になってるんだろうなぁ。
人間いつどこで、どのように、何年かけて、誰かに影響を与えるかわからない。
そして今回はたまたま、ヨンエが手紙を書いてくれたから、私が何らかの役に立ったのかがわかったが、常に自分のやったことが誰かの役に立ったかを確認できるわけじゃない。
でもみんな色々と影響し合って生きている。
今を大事にしよう。一瞬一瞬を大切に生きよう。
今、一緒にいる人に誠意を尽くそう。
今まで出会った人に念を送り続けよう。
そして、今まで私に色々な影響を与えてくれた全ての出会いに、改めて感謝します。