NPOと投資 | NPO法人コモンビート
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NPOと投資

投資はお金だけではありません
NPOに関わる人と話をする中で、投資という言葉の印象がとても悪いようです。
株式投資のイメージが強く、お金の臭いがして拒絶感を持っている人が多いようです。
投資にはリターンがあり、それがすなわち「お金」と受け取られているのでしょう。
では、NPOと投資は遠い存在なのでしょうか?
私はその逆で、とても密接な関係だと感じています。
 


究極をいえば、NPOは投資のみを行っているといえます。
NPO団体の活動は、社会投資を基本としています。
NPO法にある「活動資金から出た余剰金を分配や配当してはならない」というのはそういう理由からです。
社会活動のためにある組織なので、社会に投資し続けなければならないのです。
 
NPOに対する個人活動は、投資のわりに個人に返るリターンの割合がとても少なく感じることがあります。
本来、職業でであればお金をもらえるような”時間”も、ボランティアでは”やりがい”など、経験や気持ちという「目に見えないリターン」で返ってきます。
そのリターンは、可視化(見てわかるような状態にすること)もできませんし、定量化(基準や尺度などにすること)もできません。
また、それぞれの受け取る人によって、感じ方も異なります。
 
投資がなければ、個人も団体も社会も成長しません。
現状維持するにしても、一定の投資が必要です。
自らの体だって、栄養をとり運動をするという自己投資がなければ、現状維持すらできず弱っていくだけです。
消費や浪費をしていては、停滞どころか減退していくことは誰にでもわかります。
つまり、投資なき成長はあり得ないのです。
 
個人や会社が自己投資することで得られるリターンは短期的に予測できます。
 健康になったり、お金持ちになったり、幸せになったり・・・
短い時間でわかりやすい形で、実感することができます。
わかりやすいリターンには、誰もが投資しやすいものです。
 
しかし、NPOなどの団体が社会に投資をしていく活動は、とても気の長い投資です。
もしかしたら、私たちの世代での投資は、生きている間に大きな成果が出ないかもしれません。
そして私たちだけの活動で成果が出ることも希です。
 
私の20年ほどのベンチャー企業経営の中で、投資の概念を経験してきました。
ただ、NPOの活動や経営をする中で、投資の概念は更に広く深くなりつつあります。
また、投資の概念は日々変わってきていますし、経済状況などによっても大きく左右されます。
 
投資という考え方はとても難しい課題ですが、永遠の課題であり永遠の学びでもあります。