【28期東京】100日の感想vol.6「自分にとって一番必要だったこと」山本浩之(れすらー) | NPO法人コモンビート
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【28期東京】100日の感想vol.6「自分にとって一番必要だったこと」山本浩之(れすらー)

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僕が今回のミュージカルに参加したのは自分のためだった。
もっと逞しくなりたい、自分を大きく変えたいという思い一つだった。
言ってしまえば、自分さえ変われればそれでよかった。そのため、「NPOとしての活動に興味がある」とか「ミュージカルを通じて人にメッセージを伝えたい」という意見の意味が最初はよくわかっていなかった。

僕は26歳大学生という遅咲きな人生を送っているが、まずはそのことについて少し話したい。

21歳の頃に仲が良く年齢や境遇の似た従兄弟が自殺をした。その死に目や葬式に出られなかった負い目やストレスにより失声症(声が出なくなる病気)に掛かった。なかなか理解が得られぬ内に、やがて大学の交友関係にも疲れ、僕は大学を辞めた。
後にカウンセラーに通い声も出るようになった僕は何故か「イベントに参加する」ことを切望し始めた。とにかく充実感と誰かに認めて貰えることに飢えていた。

そんな中で参加したこのミュージカル。選ばれたのは権力者。プレッシャーもあったが、ずっと待っていた「変われる」チャンスに巡り合えたようにも感じた。
皆と色々な意見を交わし、時に衝突し、涙した。大陸内の焦りや苛立ちに上手く立ち回れない自分に歯がゆかったりもした。

そこで漸く気づいたのが自分が如何に自己中心的だったか、だった。
100人で作り上げるミュージカル、自分ひとりだけが頑張っても意味はない。皆で頑張らなければ、このミュージカルは意味がない。

そこからは戦いだった。
元々僕は結構な人見知りだ。といっても初対面の人とは普通に喋れてもそこから壁を壊して、腹を割って踏み入ることを非常に恐れる人間だ。
自分が傷つくのが嫌だから距離を持つ。まずはその壁を壊すことにした。
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自分が正しいと思ったことを言ってみる。これを言われたら傷つくかな、でも相手のためだ、と思うことを言ってみる。すると、自分が壁と思っていたものがみるみる氷解していった。
その分傷つくことは増えたが、それ以上に得るものが大きかったのだ。

従兄弟を亡くした時、こうやって素直に自分の痛みを話せればよかったのか、と実感した。

最初に参加した動機は自分のためが全てだった。だが、このプログラムを通じ、人を思いやる、人の為に何かを成し遂げるということを学んだ。
奇しくも、それが今までの自分にとって一番足りなかったことであり、自分にとっての一番必要な経験値となったのであった。

青大陸 山本浩之(れすらー)