調査・研究(法人第19期) | NPO法人コモンビート
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調査・研究(法人第19期)

コモンビートのアニュアルレポート
「FUTURE BOOK」の紙面で報告している、
研究室による調査結果をお伝えします!

「何か良い」からの脱却へ

これまで全国各地でたくさんの人を巻き込みながら活動を行ってきたコモンビート。その魅力は、実際に活動に参加した方には体感として伝わっても、活動に触れたことの無い人々には「何か良いんです!」「やればわかります!」としか伝えられない状況がありました。そこで、社会的な言葉でコモンビートの価値や魅力をより広く発信していくために、調査・研究が始動しました!

まずはコモンビートジョンの第1ステップである、参加者が「自分らしく・たくましく・違いを認め合える人」にプログラムを通して変化しているのかという部分にフォーカスして、2022年に行われた全5つのプログラム前後でアンケート調査を行い、154件の有効回答数を得ることができました。

調査①ウェルビーイング

幸せの4因子は、幸福学の第一人者である、慶応義塾大学の前野隆司教授が日本人を対象に行った調査で明らかになった、人の幸福を構成する4つの因子です。

自己実現と成長の「やってみよう因子」、つながりと感謝の「ありがとう因子」、前向きと楽観の「なんとかなる因子」、独立とマイペースの「ありのままに因子」で構成されており、この4つの因子がバランスよく高まっているほど、幸福な状態であると言えます。

前野隆司「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」を基に作成

調査結果

幸せの4因子、人生満足度尺度の全項目が、プログラム終了後に向上しました!また、プログラム終了後の数値は全て全国平均を大幅に上回る結果となりました。

考察

各因子の向上要因としては、夢や目標を明確にすること(やってみよう因子)、笑顔やハグ・スキンシップを取ること(ありがとう因子)、課題や悩みを可視化し、ポジティブな表現を行うこと(なんとかなる因子)、新たな一歩を踏み出すこと(ありのままに因子)などが挙げられます。

コモンビートのプログラムでは、「ミュージカルなど身体表現を基にした未知の体験」を「公演という最終ゴールに向かって、他者と創りあげていく共有体験」として行う活動の特性、そして、誰でも参加できるような市民性に加え、チャレンジを受け入れながらポジティブに進めていくコモンビート独自の場づくりの特性の2つが、これらの主観的幸福感の因子を向上させていると考えられます。

30代 男性

感情に素直になって、がむしゃらになることを忘れてた自分がいると再認識できました。仲間を想い、涙を流したのは人生でも初めての経験です。舞台を成功させるというただ一つの目標のはずなのに、気づけば周りの人たちが家族になって、オンラインでも話せるだけで気持ちが落ち着いたりする関係に。

40代 男性

プログラム終了後からをどう生きていくのか!熱い気持ちはあるが何をしていいか分からない、行動してみたが上手くいかなかった、そんな人たちの受け皿を創っていきます!まずやってみます!

20代女性

人と繋がることが苦手だったけど、その大切さと温かさに気付かされた。大変なことだらけでも、沢山の人に助けられ、支えられなんとか乗り越えることが出来た。日常に戻っても、この素敵すぎる仲間が自分には居るということを忘れずに、前を向いて生きていきたい。
調査②多様性適応力

「多様な人材が集まる中でも自らの個性を発揮し物事を達成する力」のことです。下の図にある8つの要素から構成されています。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が注目される近年において、ただ多様性を受容するだけでなく、その中でも自分らしさも発揮していくための力として注目されています。

津々木ほか(2021) 「多様性適応力評価尺度の開発と適用の試み」を基に作成

調査結果

多様性適応力の全項目が、プログラム終了後に向上しました!特に「創造力」「コミュニケーション力」「俯瞰力」の数値が大きく向上しました。

考察

コモンビートにおける歌・ダンス・演技・対話などの表現活動では、「正解の無いものに向かって皆で1つのものを創りあげる」ことがベースとなっています。その活動の特性から、集団全体を俯瞰しながら、他者との健全な衝突も含めたコミュニケーションを重ね、新たなものを創造していくことから、上位3要素が大きく向上したと考えられます。

20代 女性

他者を理解する力は自分にはある方だと思っていたけど、今回は周りに助けてもらうことが本当に多くて、関係性が深くなったことがとんでもなく嬉しかった。(20代・女性)

30代 男性

その人のために自分は何ができるだろうと自然に考えている自身に気付いた。

“20代

違ってもいいけど、理解しあいたい。私の根本にあるのはここなんだな、と思いました。でも、全てを理解することは不可能で、理解したいしされたいけど、できないことへの苛立ちや悲しさを感じたプログラム期間でした。そう思った時、理解できないことも〇(まる)なんだなぁと思えて、なんだか人生面白いな、と思いました。
まとめ

今年度の調査結果から、コモンビートのプログラムでは「自分らしく・たくましく・違いを認め合える人」を育んでおり、日本社会の課題でもある主観的幸福感の向上に寄与していることが分かりました!

2023年のコモンビート研究は「探求の年」です。ソーシャルキャピタルやアントレプレナーシップなど、今までにない様々な角度からコモンビートを見直し、価値を再考する一年にしていきます。またコモンビート独自だけでなく、他の団体や研究者との共同研究も進めていく予定です。ぜひご期待ください!

研究室紹介

ゆーき
コモンビート研究室 室長

NPO法人コモンビート理事 / 一般社団法人幸せなコミュニティとつながり実践研究所 理事 / 東京都市大学大学院環境情報学研究科博士前期課程

データでは表せない価値をあえて形にしていく難しさを楽しんでます!

#ホークス命 #最近爆食気味 #今年はドラムを習いたい

しんじろー
研究室 インターン生

東北大学経済学部経営学科 在学

みんなで作ってきた20年の成果を言葉で紡いでいきたいと思います!

#ドジの数では負けない#のほほん系#目指すはアーティスト

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研究室
research@commonbeat.org