キャストインタビュー9 緑大陸 田中 俊一郎 (レキ) さん | NPO法人コモンビート
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キャストインタビュー9 緑大陸 田中 俊一郎 (レキ) さん

reki.jpg皆さんこんにちは!
緑大陸のベッキー(渡邉聡美)です。いつもお世話になっております。
本日は緑大陸の眼力こと田中 俊一郎(レキ)さんをご紹介します!


同じ大陸とはいえ、実はそんなに深く関わったことがないので、お互いに妙にそわそわ。
初デートの様な妙な緊張感の中、インタビューが始まりました。
一見コワイという印象を抱いてしまいがちな外見。
それに加えて大陸内では権力者に堂々と意見したり、皆を諌める役どころで、私などが気軽に声を掛けて良いのかと思ってしまっていたくらいでした。
しかしひとたび話し始めると……?
そんなレキさんの素顔、どうぞご覧下さい!
◇今回のターゲット:レキ◇
本名:田中俊一郎
性別:男性
出身:埼玉県
特徴:人見知り
Q.ミュージカルへの出演4回目にして初インタビューということですが、まずはこのインタビューへの意気込みを聞かせて下さい。
A.ブログにインタビューのコーナーがあるのは最初に参加した頃から知っていて、受けてみたいと思っていました。そのうち自分の順番が来るだろうと漠然と思っていたのですが声がかかりませんでした。15期で引退しようと思っているので、最後に受けられて嬉しいです。
Q.それではまず、コモンビートに入ったきっかけは何ですか。
A.高校のミュージカル部の同期が0期に出演したのをDVDで見たのが最初の出会いでした。
5期・6期と見に行って最初は感動していたのですが、次第に悔しいという気持ちの方が強くなってきました。
何故俺は見ている側なんだ!あっち側に居ないんだ!?って。だから、公演が終わった瞬間に出ようと思い、ミュージカル部の仲間5人で8期に申し込みました。
また、歌とダンスだけで端的に物語を表現しているのも自分に合っていると感じましたね。

Q.最初に出演した時の感想は如何でしたか?

A.ミュージカルは5年ぶりだったけど単純に楽しかったし、自分の中に必要な要素だと思いました。
Q.2回目も出演しようと思ったのは何故ですか?
A.元々はスタッフをやりたいと思ったんです。でも仕事が大変になり、スタッフどころではなくなってしまった。
でもスタッフに8期で一緒に出たメンバーが沢山居たので、キャストとして支えたいと思い、出ることにしました。
Q.やはり2回目は手応えが違いましたか?
A.はい。……と言いたいところですが、権力者というまさかの大役を頂いてしまったのです。これには面食らいましたね。
自分にいっぱいいっぱいになってしまいました。逆に大陸のみんなに支えてもらい、大陸への愛情がより深くなったというのは嬉しかったですが。

Q.自身が権力者に選ばれた理由は何だと思いますか?

A.全く分かりません。ただ、10期までは理事のチュソンが関わっていて、自分への手紙(プログラム開始時に、公演日の自分に宛てて書く
手紙のこと)にコメントをくれていたのですが、そこに「野心」と書かれていたんです。もしかしたらそれが見えていたのかもしれませんね。
Q.次こそは権力者に選ばれたいと思って参加する人も居ると思うのでが、レキさんは権力者に選ばれた後もまた参加していますね。3回目に志願した理由は何なのでしょうか?
A.2回目は、スタッフを支えたいという想いとは裏腹に権力者で精一杯になってしまい、それどころか仕事が急に忙しくなってしまった関係で練習にも殆ど行けず支えられるばかりでした。だから次こそはと12
期に参加しました。キャストとしても楽しめましたし、多少なりとも役に立てたかなと思います。
Q.それだけの達成感を得た上で更に今回の15期に志願したのは、どういう気持ちからなのでしょうか。
A.本当は12期で最後にしようと思っていました。ただ、15期のスタッフには8期の時にシゴかれ……いや、お世話になったスタッフメンバーが多数戻ってくるという情報を聞いて、もう一度一緒にやりたいなと思ったんです。
おこがましいことだけれど、キャストとして、人間として、コモビに関わってから自分がどれだけ成長出来たのかも確認したかったし、原点に立ち返って純粋に楽しみたいというのもありましたね。
Q.今回こそは本当にお辞めになるんですか?

A.本当はもっと色んな役をやりたいし、ソロも歌いたい。毎回達成感はありますが、あれがやりたかった、このシーンも出たかったというのは尽きません。
でも、それに固執するのとコモンビートに参加することは違うというか。それなら純粋にコモンビートに関わりたいと思う人達が参加するべきじゃないかと。
それに、4回経験して、8期は青大陸、10期は赤大陸、12期は黄大陸、そして15期は緑大陸と全色制覇することが出来ましたし。もっと言うならば、戦争シーンにはポール・ストンプ・スティックとう3つの武器があるんですが、それを全て経験出来た上に権力者も演じさせて貰ったので、争シーンもコンプリートなんです。これ以上ないくらい贅沢な経験をさせてもらいましたよ。
Q.確かにそれだけの経験をされている方はそう居ないでしょうね。ところで私の中で、レキさんといえばガンブーツ(*1)という印象です。 踊っている時の凄みは只者ではない何かを感じさせます。気付くとレキさんばっかり見てるんです。周りの人を目に入らなくさせる吸引力を持ったあの表情は、一体どこから来ているのでしょうか。

A.緑大陸の人間としては複雑ですが、ガンブーツは思い入れのあるダンスなのでそう言ってもらえるのはとても嬉しいです。気持ちとしては目に入ったものは全て狩ってやるという意気込みでやっています。最前列というプライドもあるし、全部ひっくるめたギラギラ感に注目していただけたら嬉しいですね。
Q.否応なしに目が行ってしまうので大丈夫です。それではここからはレキさんの素顔に迫っていきたいと思います。普段は何をしていますか。

A.地元で公務員をやっています。生まれてからずっと住んでいる地元に はとても愛着があります。
昔は、父親が公務員だったので何となく自分もなるのかなと漠然と思っていましたが、今は育ててもらった町と住民の為に働き、町を育てることで恩返しをしたいと思っています。
Q.ミュージカルが始まってからはコモンビート漬けの生活だと思いますが、それまで休日は何をして過ごしていましたか。
A.友達と夜通し遊んだり語り明かすことが多かったですね。コモンビートを始めたのと同時期に転職活動をして公務員に合格したのですが、それまではファミリーレストランの社員だったので生活が不規則だったんです。
だから時間の合う友達と時間の合う時に遊ぶという感じでした。
Q.コモンビートに入って、自身が変わったと思うところはどこですか。

A.よく笑う様になりました。色んな人への感謝を素直に伝えることが出来る様にもなりましたね。
あと、涙腺の蓋が緩くなったかなぁ……。
Q.感謝したくなる人達に、沢山出会えたということですね。
A.そうですね。コモンビートは本当に色々な人が支えてくれていますから。公演にも練習にも全国から沢山の人が駆け付けてくれるけど、それってすごく労力もお金もかかることだし、決して当たり前のことじゃない。
それでも熱い思いを持って支えてくれる方々の姿を見たり、情熱に触れると、こちらにも伝染しますよね。
だから自分も名古屋や関西に応援に行って恩返ししたいって思います。
Q.確かにそうですね。私は今回が初キャストなのですが、本当に皆優しいんですよ。全国から応援に来てくれる皆さんも壁が無いんですよね。と言いつつ、ここまでいい話ばかりなので、何か失敗談があれば教えて下さい。
A.失敗談ではないんですが、8期の公演後の打ち上げで号泣してしまったこと……かな。
10年来の親友に「どうしたんだ!?」って言われるくらいずーっと泣いたんですよ。一回おさまっても皆の顔を見るとまた「有難う~うう~~~」みたいな感じになっちゃって。
8期は初めて参加した期なんですけど、ダンスにかなり苦戦しまして、本番直前までダメ出しばかりでした。「言葉をこえて」というシーンもその一つだったのですが、理事長のこーじが、総評の時にこのシーンが最も良かったと言ってくれたんです。思い入れの強いシーンだったので、それを聞いて涙腺が決壊しました(笑)。
うん、反省することはあっても、失敗とか後悔は多分無い。改めて振り返るとそう思えますね。
Q.力強いお言葉は流石ですね。私もそう言える様になりたいものです。
そんなレキさんの座右の銘は何ですか?

A.うーん、特に無いですが、好きな言葉は「意志有る処に道は拓く」
「想いは力、夢は叶う」の2つです。
Q.コモンビートに通じるものがありますね。それではそんなミュージカルを、どんな人に観てほしいですか?
A.人生こんなもんかって思ってる人に観てほしいですね。コモンビートって、全然違う環境の中で生きてきた人間が集まって、色んな壁にぶち当たりながらも100日間でその壁を超えていくんですよ。
だから何回観ても面白いんだろうし、それがあるから4回も参加しちゃったんでしょうね。
Q.レキさんにとってコモンビートとは何ですか?
A.何だろう?「年に1度のお祭り」ですかね。同じ季節はまた巡ってくるけれど、同じものは二度とは出来ない。
だからこそ、今出来ること、今しか出来ないことを全力でやる。全力で楽しんで、苦しんで、最後は全力でバカ騒ぎして全力で笑って終わる。そんな場所です。
Q.それでは最後に、これを読んでいる皆さんにメッセージをお願いします。
A.ファンレターは以下の宛先まで……じゃなくて(笑)、最後まで読んで下さって有難うございました。
101人のキャスト、そして27人のスタッフ。大の大人が泣いて笑って、とにかく本気で作り上げる舞台を是非とも観に来て頂きたいです。
そしてあわよくば、私の様に悔しがってほしい。「次は絶対自分があの舞台に立つ」、そう感じさせることが、コモンビートに初めて参加した3年前から変わらない私の野望です。
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見た目を裏切らない「野望」という言葉で締めて頂きました。有難うございました。
多少ビクビクしながらアポイントを取ったのも今は昔、思いの外笑い上戸で、大口を開けて笑う姿には親しみを覚えます。
インタビューの合間にはお菓子作りが趣味でかぼちゃのチーズケーキがとりわけ得意だということや、恋の話なども山の様に飛び出して、意外な一面を沢山知ることが出来ました。
レキさんも私も数少ない花の1982年組なので、これを機会に一気に距離が縮まって嬉しいです。
もしレキさんをご存知で、でもちょっと声をかけづらい……という人が居たら、是非とも勇気を出して一歩を踏み出すことをオススメします。
全大陸、更に権力者まで経験した大ベテランのレキさん。
そして今回が初キャストで、恐らく15期が最初で最後の私。
こんな真逆にも見える私達が、ひとつの舞台で、それぞれの想いを乗せながら、ひとつの物語を創り上げていく。
コモンビートだからこそ成し得ることであり、それだけにどんなビッグバンになるか楽しみですね。
そんなビッグバンも、お客様あってこそ、初めて起こせること。
絶対に期待を裏切りません!
101人の大爆発、そしてレキさんの眼光を、しかとその目でお確かめ下さいませ。
7月末、本番の会場でお待ちしております!
(*1)ガンブーツ:大陸紹介ダンスのひとつ。黒人奴隷が労働中に会話を禁止され、長靴を叩いて意思疎通した名残のダンスのこと