障がいを超える絆 See the difference〜障がいと障がいの組み合わせによって生み出だされたもの〜開催レポート | NPO法人コモンビート
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障がいを超える絆 See the difference〜障がいと障がいの組み合わせによって生み出だされたもの〜開催レポート

6/22(水)、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をテーマに、違いを知り、違いと出会い、違いとつながっていくための「See the difference」の第16回が開催されました!今回のゲストは、ロービジョンフットサル選手の岩田朋之さんと、デフサッカー選手の仲井健人さんです。仲井さんは文字変換アプリを見ながら参加してくれました。

お二人はプライベートでも仕事でも交流があり、異なる障害がありながらも、お互いを思いやるコミュニケーションを重ねて、今の関係性(仲良し!)にたどりついたそうです。私も、聞こえない障がいと見えにくい障がいのあるお二人は、どのように仲良くなったのだろうかという疑問とワクワクを持ってイベントに臨みました。

お話を聞いていると、お二方自身もお互いの障がいを組み合わせて生み出されることに面白さを感じているようでした。そしてフットボールという共通点を持ち、いろいろな場を共にするお二人だからこそのお話がたくさん聞けました。

自己紹介!

イベントはお二人の自己紹介から始まりました。お互いに「先に話して」と譲り合い、さっそく仲の良さを垣間見ることができました。

岩田さん
岩田さんは、26歳の時にレーベル病という視力低下の難病を発症しました。ソムリエを目指してあゆみ始めていた時でした。お客様の顔やワインのグラスがちゃんと拭けたかが見えなくなっていき不安だったそうです。渋谷のスクランブル交差点などの日常の景色も、どんどんぼやけていったそうです。そして視覚障がい者になった翌年にロービジョンフットサルを始め、今では世界大会出場も4度ご経験されています。視覚障がい者になりどう生きていけばいいのかわからなかったそうですが、競技を通して国内外に仲間ができ、希望ができたと言っていました。このような事を同じ弱視の子供たちに伝えていきたいと思い、岩田さんはCA SOLUAというクラブを設立しました。チームが強くなるだけでなく、地域貢献も大事にしていき、選手や周りの人が相互に輝けるようにという思いを込めて命名したそうです。

仲井さん
仲井さんは、生まれつき聴覚障害があり、補聴器をつけないと全く聞こえません。補聴器をつけても全て聞こえるわけではなく、言葉を聞き取ることも難しいそうです。
聞こえる人と話す時は、基本的に読話(口の形を読む)や、ジェスチャー、筆談、メールやチャットでコミュニケーションをとっているそうです。コロナ禍でマスクをつけるようになり読話ができなくなったことは日常生活でかなりストレスになっていると言っていました。
そして仲井さんは、障害のあるなしに関わらず誰もが活躍できる/楽しめる社会づくりをしたいと教えてくれました。聴覚障害という、目に見えにくい障害を理解してもらうために活動しています。

お互いの印象

お二人が初めて出会ったのは、いろいろな障がいのある人が集まってサッカーをするイベントだったそうです。耳が聞こえない仲井さんと、目が見えづらい岩田さんの、お互いの当時の印象を教えてくれました。

仲井さん(聞こえない)による、岩田さん(見えづらい)の印象
・障害については「あー見えにくいんだな」くらいにしか思わなかった
・障害についてよりも、明るくて陽気なツーブロックの人という印象
・見えにくいとかではなく、ただ一人の面白い人だなと捉えた
・口を大きく開けてミュニケーションを取ってくれた

岩田さん(見えづらい)による、仲井さん(聞こえない)
・見た目では見えづらいことは分からなかった
・前情報で「面白いやつだよ」と聞いていた
・トップクラスのサッカーチームに聴覚障害がある中で所属していたから「メンタル強いのかな」と思った
・見えている方がサッカーしやすいんだなと思った
・一緒にプレーしていて頼りになった

一緒にサッカーするって難しくないの?

見えづらい人と聞こえない人は、どのように一緒にサッカーをするのでしょう。難しくないのでしょうか。お二人は、工夫次第だし一緒にできればそれでいいと言っていました。オレンジ色のボールを使ったり、声出しをしっかりしたりしているそうです。

お互いに補っているところ

プライベートでも仲の良い、岩田さんと仲井さんが一緒に過ごす中で助け合っているところを教えてもらいました。

1:運転
お二人が一緒に車で移動するときは、目が見える仲井さんが運転するそうです。しかし道を教えるのは目が見えづらい岩田さんだそうで、見えづらい人にナビゲートをしてもらうのは変な感じがしたと仲井さんは言っていました。
お話をするときは、口の動きを読み取って会話をします。なので運転中でも横を見て話すことになってしまいます。岩田さんはそれを見てヒヤヒヤするそうで、フロントガラスに文字が出たらいいなと言っていました。

2:温泉
岩田さんと、仲井さんと、仲井さんのお子さんの3人で温泉に行った時には、仲井さんのお子さんが、岩田さんに「次のお風呂行こうよ」と言って、それを岩田さんが仲井さんに伝えていたそうです。お風呂の後のドリンクのメニューを見るときには、仲井さんが見てくれると言っていました。

3:洋服選び
洋服選びは、見えづらい岩田さんの方が得意とのことです。岩田さんは仲井さんのパートナーに頼まれて仲井さんのお洋服を選んであげたことがあるそう。見えづらい側が服を選ぶのは面白いねとお話ししていました。

障害を障害と捉えず、個性として捉えているお二人のコミュニケーションが印象的でした。そして見えづらい岩田さんの方がお洋服を選ぶことが得意と聞いたときは、障がいの枠を超えて得意不得意はあり、それは私と同じであると実感しました。そして得意不得意をお互いに認識し、活かし合える関係性が羨ましくも感じました。

参加者からの感想

・私もマイノリティ当事者として、マイノリティ側ってどこか触れちゃいけないんじゃないかとか、どう触れたらいいんだろうとタブー視されがちなところがあるけれど、そこを気にすること無く冗談としていじり合っているように見えた。
・お互いに障がいをタブー視せず、気にしていないからこそできるコミュニケーションが素敵だと思った。
・お二人の仲の良さの安心感が、見ていて心地良かった。

イベント最後は、それぞれが踏み出すアクション宣言!

ゲストの岩田朋之さん、仲井健人さん、参加者のみなさん、学びある時間をありがとうございました!

次回の9/7(水)開催のSee the Differenceのテーマは、「学歴フィルターってなくせるんですか?」です。ぜひお楽しみに!

インクルージョンチーム 学生インターン
橋本佳恋(かっきー)