「感情、歌、踊りは、多様性を認め合うトリガー」外資系ホテル 経理 シモンズエマ【人生アンサンブルvol.2】 | NPO法人コモンビート

「感情、歌、踊りは、多様性を認め合うトリガー」外資系ホテル 経理 シモンズエマ【人生アンサンブルvol.2】

“自分らしく、たくましい個人を増やし、互いの多様な価値観を認め合える社会の実現を目指す” NPO法人コモンビート(以下、コモンビート)は、さまざまな年齢や職業の社会人・学生100人が集まり、お互いの個性を響き合わせて創り上げる「100人100日ミュージカル®プログラム」を全国各地で開催しています。

そして、プログラム参加者の生の声をリアルタイムでお届けするマガジン、『人生アンサンブル』がスタート。第2回は2022年7月にコロナ後初となる東京公演の練習中にオーストラリアから移住し、外資系ホテルで経理として働いているシモンズエマ(通称:エマ)にインタビューを行いました。このプログラムで彼女は、どのような経験をし、どんな学びを得て、その後の人生にどんな変化や影響をもたらしたのか──。『人生アンサンブル』、スタートです。


ずっと一人で過ごせるなら、その方がいい

オーストラリアから移住し、日本で仕事をしているエマ。異国の地である日本に移住し、「さぁ頑張るぞ!」と意気込んでいるときにコロナ禍へ突入しました。

「“こんなはずじゃなかった”と不安が高まっていたときに、偶然コモンビートのミュージカルに出会いました。オーストラリアにいる頃からミュージカルが大好きで『これはもう、やるしかない!』と参加をすぐに決めました。」

元々人と関わることが苦手なエマは、当時のことをこう振り返ります。

「実は、オーストラリアにいる時から『なんか、自分は周りと違う』『自分は異質な存在なのかな』と感じていました。ずっと一人で過ごせるなら、その方がいいと、本気でそう思っていたし、日本だと不慣れだから余計に。“日本にいるオーストラリア人”として、基本的に周りと違うので、誰も自分を理解してくれないだろうと思っていたし、自分も誰かを理解しようとは思っていませんでした。」

「だけど、コモンビートのミュージカルに飛び込んだとき、何か言葉にできない期待がありました。」

そう語ってくれるエマは、コモンビートでプログラムを続ける中で、少しずつ変わっていきます。


「 “今、私は成長している” と心から感じた」

元々ミュージカルが大好きなエマでしたが、コモンビートのミュージカルの練習は驚きの連続でした。

「予想とぜんぜんちがう!コモンビートでは、“生き方” ”価値観”など、とにかく徹底的に自分自身に向き合うことを求められたし、答えがないなかで、“自分とは何者なのか” “自分はどうしたいのか” “周りのメンバーはどういう想いがあるのか”と本気で悩み、深く考えました。」

そして、こう続けます。

「“今、私は成長している”と心から感じました。一生懸命に歌い、踊ってみると、周りにいるさまざまなメンバーと共通点があることに気づいたし、もっと言えば、歌を通して、また一緒に踊ることで、人とのつながりを、これまでの人生で一番強く感じました。そして、知らない人や、性格が合わない人でも、優しい気持ちを持ち、仲間として向き合えるようになったんです。これまでで一番成長できた瞬間だと感じています。」

お題目ではない、みんな違って、みんないい

エマに、コモンビートのミュージカルに参加した今、何を感じているのかを聞きました。

「『この人も、あの人も、もしかしたらコモンビートに関わっていたかもしれない』という気持ちで誰かに向き合ってみると、これまでよりもちょっと苦手な人でも、余裕をもって接することができるようになり始めました。」

「本当の意味の“みんな違って、みんないい”という言葉の意味を、初めて分かった気がします」

そう照れながら、ぽつりと呟いていたのが印象的です。そして“Thank you so much for giving me this chance”と母国語で嬉しそうに伝えてくれました。


「最初、未経験者だけで、しかも短期間でミュージカルを本当に作れるのか不安でした。でも、一緒に頑張る仲間と協力し、助け合い、時には引っ張られながら一つひとつに向き合っているので、とてもいい舞台ができる自信があります。多様な仲間がいるからこそ、今の社会にとって価値のある作品にできそうです。」

今回は、オーストラリアから移住したシモンズエマさんのプログラム中の想いを紹介しました。

『一人ひとりの小さな変化が、よりよい社会を創る。』

あなたも一緒に、ステージに立ってみませんか。ぜひ劇場にも足をお運びください。お待ちしています。