Meet the world:vol.44 Last show /Skive in Denmark | NPO法人コモンビート
企業・自治体の方 学校関係者の方 お問い合わせ

Meet the world:vol.44 Last show /Skive in Denmark

みなさん

おはようございます!もっぴーです。
実はこのブログをまだ締めくくっていなかったので。。。
今さらにはなりますがあと3本書いて締めくくりたいと思いす。

 

2019年CastA最後の街はデンマークのSkive(スキーバ)という田舎町。
ドイツから丸1日かけた久しぶりの長距離移動です。

最後のホストファミリーはスポンサーにも
なってくださった農家を経営されているお家でのステイ。
ルームメイトはなんと9人それも8カ国ばらばらのメンバー達。
そこで、毎日の晩ご飯担当を決め、毎晩インターナショナルな夜ご飯を頂きました!
私も日本食は味噌汁、肉じゃがを作りました!

 

 

1月から始まって、何度も何度も繰り返してきたショーもいよいよ本当に最後。
ずっと当たり前のようにステージに立ってきたメンバーと、
同じメンバーで二度とステージに立つことがないのかと思うと
寂しいとか悲しいよりも信じられない気持ちでした。

最後のショーを楽しもう!と、舞台裏でみんなで声を
かけあっていると、あぁ本当に最後なんだなぁと
しみじみと徐々に実感が湧く感じでした。

 

振り返ると、このショーには深い深い思い入ればかりです。
14カ国から集まる多様性あふれるメンバーでつくるショーは、
たちだからこそ問いかけられるメッセージがあって、
女性の権利や難民、人種差別など多岐にわたる
国際問題を問いかける歌は、内容が重く、
お客さんに問いかける前に自分たちで議論もしてきました。

 

特にヨーロッパツアーで議論した”Does it really matter?”は
自分にとって特別でした。個人の経験からあふれる重みと、
真剣な熱さで何とも言えない独特の白熱、緊張感に満ちた時間でした。

“Does it really matter?”は肌の色は関係あるのだろうか、
というような人種差別を問いかける歌なのですが、
人種差別についてどのような経験をしてきたのか、
その個人的な話を目の前にいるキャスト達から聞いて初めてリアルさを実感しました。

 

黒人の従妹が自分の家の近くに引っ越しをしたとき、
地元警察が地域住民を周って声掛けをしていた。

そしてそのキャストの元にも警察はやってきて、こう言った。
黒人男性が近所をうろついている。気をつけるように」と。
はい、大丈夫です、私の従妹です」
失望と屈辱の気持ちで答えた白人と黒人の両親を持つキャストの話。

 

自分の住んでいる場所では肌の色で差別を
感じることはなかったけれども、
親は自分がアメリカに行くことを決めたときに
電車で注意をすること、外を歩くときに注意をすることを事細かに教えた。

分の住んでいる場所では問題ではないが、
アメリカやヨーロッパでは問題。
そう話してくれたバミューダ出身のキャストの話。

 

ヨーロッパのある国で。道で倒れているおばあさんを
助るために抱きかかえようとした黒人の男の子に向けられた
周囲の人たちの異常なまなざしを感じたキャストの話。

ツアーを通して一人一人の経験や考え方に触れるうちに、
出身国や見た目で人を捉えるのではなく、
目の前の一人の友達として向き合いたいと、
考えが変わっていったキャストの話。

 

人種差別の議論になると登場人物が白人と黒人。

アジア人は登場人物にすらならず、
発言をしないと自分がいなくても話が進んでいく。
自信を失わないために、毎日鏡の前で自分を鼓舞してから家を出ていた。
自分のテーブルはないと感じる中で、
この曲はそんなことも関係ないと思わせてくれた、と言うアジア出身のメンバーの話。

 

もちろんキャストは黒人ばかりではありませんし、
私はこの曲が黒人のための曲でもないと思っています。
ですが、実際に経験をしたキャスト達、

人種差別の社会の中で生活をしてきて、自身の信念を持つキャスト達、
そんなキャスト達から話を聞いて考えをめぐらすキャスト達。
いろんな思いを抱えながら、私たちがこの曲をつくることで
メッセージのこもった迫力ある作品になるのだと感じました。

 

このショーを考えたことや創ったことで、自分の考え方、
もっというと生き方に影響を与えたショーでした。

 

自分の考え方の成長だけでなく、最初は貰えていなかった
ポジションを一生懸命練習して獲得した人や、
歌のテーマについていろんな議論をしたことで表情が変わった人などキャスト一人一人の

それぞれの成長を考えると、個人としてもチームとしても
この4ヶ月半で進化して強くなってきたことを実感しました。

 

そして14か国から100人が集まるという奇跡のようなキャスト達に出会えたこと。
みんなが愛しくて誇らしくて、そんなみんなと1つのステージをつくり、
世界のお客さんたちに感動を届けられていたのかと思うとこんな幸せなことはありませんでした。

 

そんな溢れるばかりの気持ちはありますが、
泣いてぐちゃぐちゃの顔になってはお客さんに伝わらない。。
そう思い、最後で特別だけどいつも通り、
そんなことを頭のどこかで言い聞かせながら臨んだショーでした。
(ですが最後の最後にみんな涙腺が崩壊。。溢れ出た気持ちは怒涛の涙に変わりました)

 

終わってしまえばあっけなかったような。。
体も気持ちも疲れきってショーの後はぼんやりしていた気がします
自分もみんなも、本当にお疲れ様でした。Good job!!

 

最後のホストファミリーデーは農家さんのお家で川下りや乗馬など
自然と動物に癒されてのんびりと過ごしました。
鳥のさえずりが心地良い穏やかな休日を楽しみました。