Meet the World:vol.20 アメリカとそこに住む人を学ぶ in Erie/Colorado | NPO法人コモンビート
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Meet the World:vol.20 アメリカとそこに住む人を学ぶ in Erie/Colorado

みなさん

こんばんは。もっぴー(三矢楓)です。
Erieは石炭鉱業が盛んな小さな町。
鉱業に携わる労働者向けの小さな家が多く、これまではルームメイトがいることが多かったのですが、今週は1人での滞在している人が多いなと感じたのはそういった理由からでした。
Erieでお世話になったのは旅が好きなマッサージ師のジニと、従兄弟のヘレンのお家でした。
お互い近くに住んでいて、ヘレンはWUPが街に来ると知ってホームステイの申請をしたところ少しタイミングが遅かったようで、従兄弟のジニのお家で共にホストをしようと、一緒に迎えてくださいました!

今週最後のショーはデンバーにてUWPの資金を調達するためのガラにてパフォーマンスをしてきました。
奨学金制度などを維持するために同窓生やスポンサーの方々から資金協力を仰ぐのですが、デンバーの中心街の高級ホテルにてドレスアップした方々を迎えてのパフォーマンスなので、ちょっとした映画の世界でした!

そして、ガラの様子がfacebookにてフルムービーでアップされました!
ショートバージョンではありますが、ショーがフルのムービーで見ることができます!!
https://www.facebook.com/upwithpeople/videos/1951968101595377/

ガラ全ての動画なので2時間近くになりますが、抜粋して見所は下記の3つ!

4分前後 : “Road”
ガラのオープニングソング。
約20程の世界各国の民族衣装が見れます!

40分前後 :“Save the dancer”
もも含めかっこいいダンサー達のダンスナンバーです!

1時間30分前後 :“Live on tour”
ショートバージョンですが、私たちとショーがフル動画で見れます!!

前置きが長くなりましたが、Erieでの休日はアカデミー賞作品賞を受賞した「Green Book」を見に行きました。
人種差別が合法化されていた1960年代、1人の白人の男性が黒人ピアニストのツアーの運転手の仕事を受けることになります。
正反対の2人ですが、2ヶ月間の旅で一緒に時間を過ごす間に2人の考え方に変化が生まれていきます。

Green Bookは当時実際にあったもので、どこなら黒人でも宿泊ができるのか、サービスが受けられるのかなどが書いてあるガイドブックです。
私のホストマザーは白人の女性で、この映画をみるまでGreen Bookの存在は知らなかったそうです。

映画の中ではホテルで同じ席で食事ができないシーンが何度も出てきました。
「お気持ちはわかりますが、当ホテルのルールなのでどうかご理解ください」と丁寧に説明する白人の従業員。
差別がルール化されていたため、疑問をもたずに差別の概念が定着していた人も多かったと思います。ただルールに従うことが正義。
主人公の白人男性もそんな人のうちの1人でしたが、ピアニストの男性と旅をすることで目の前で起こる差別に対しての疑問、感情が芽生えてくる様子に、私も気持ちが引き込まれました。

一緒に映画を見たホストマザーの従姉妹のヘレンは過去、社会の先生をされていてデンバーの博物館で時たまガイドをされている程、社会や歴史について詳しい方でした。
映画を見終わった後も沢山の解説をしてもらい、とても勉強になりました。

デンバーでの日本のコミュニティーについても良くご存知で日本人の知り合いがいるとのことだったので、夜は日系アメリカ人のひろこさんのお家に寄せてもらいました。
ひろこさんは広島にルーツを持つ日系アメリカ人一世。生まれ育ったのは広島で、原爆投下時は山口にいたためご無事でしたが、被爆によってご家族を亡くされたとのことでした。
旦那さんは日系アメリカ人二世の方で、彼のお父さんは、職を求めて日本人が海の外に出た時代にコロラドで農園を営まれていました。

なんと、当時のビザやパスポート、住民票などの記録を大事にとっていらっしゃいました。
100年近く経った後に家族の歴史を手に取ることができて、まさにコモンビートの中の「名もなき我が祖先」です。

第二次世界大戦前、日本がアメリカとの緊張感が高まっていた頃、旦那さんのお父さんが両者の文化の違いによって誤解が生まれていること、コミュニケーションの重要性についてコメントされている記事も見せて頂きました。
シェアしてOKと許可も頂いたので、当時の記事の写真を撮らせて頂きました。

戦争の気運が高まる中で、戦争に対する反対のコメントは勇気のいることだったと思います。日系アメリカ人だからこその使命感があってのコメントだったかもしれません。このお話を聞いた時も、世の中のルールに従う以上に大切だと考えることを貫いた人の勇気を感じました。
以前、戦時中のコロラドのキャンプの話について少し書きましたが、ひろこさんのお話によると身元引き受け人のような形でキャンプに行かなくても済むようにしてくれた牧師さんがいらっしゃったようで、そんな方々のお陰で今もコロラド、デンバーには大きな日本人のコミュニティーがあるようです。牧師さんも勇気ある人の1人だったことでしょう。

次にErieに来る時はまた家に遊びにきてと、とても暖かく迎えてくださりまた大切な繋がりができました。

そんなErieにも別れを告げて、次週はロッキー山脈の向かい側、同じくコロラドのGrand Junction(グランドジャンクション) に向かいます!

もっぴー(三矢楓)