練習1回1回が、二度と出来ない貴重な経験 | NPO法人コモンビート
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練習1回1回が、二度と出来ない貴重な経験

大阪から深夜バスに乗って東北に通う

“えりーな”こと中村絵梨奈さん。

そこまで苦労しての参加理由は?と尋ねると、

「石巻の地元の人と作れる!
歴代のそうそうたるメンバーの復活!
東北&東京&名古屋&関西地域ごちゃ混ぜキャスト!
面白そうな要素以外見当たらない!
参加しないと今後10年位は後悔しそう。距離なんて後回しです」

という答えが返ってきました。
そんな、えりーなから届いた12月1日の練習レポートです。

黄大陸のえりーなです。
12月1日の練習についてレポートします。

先週末は練習が無く、練習自体が1週空き、
更に久しぶりの必須日ということで、
たくさんのキャストが朝から気合い満々!

この日は練習後に、大陸ごちゃ混ぜの
交流パーティーも企画されていて、
余計にワクワクドキドキな朝でした♪

プロデューサー・パプワ(久保田晃成さん)の
朝のインフォメーションの後は、
なんと東京から来たスペシャルゲスト、
まる(村岡真梨さん)によるウォーミングアップ!!
みんなEXILEになりきって、激しくdance!dance!dance!

小さくては可愛いまるから出るパワーとテンションは、
見かけと正反対のBigなBigな爆発力で、
体育館は一気に熱気ムンムン☆
朝のウォーミングアップで、すでに大盛り上がりでした。

そして、今日のメインの練習は、
コモンビートミュージカルの後半最大の見せ場
「戦争シーン」です。

このシーン練習の為に、コモンビートで長く舞台監督をされていて、
もちろん今回の東北公演の舞台監督もつとめる、
なかさん(中里友一さん)も東京から来てくださいました。

戦争シーンの練習は、まず気持ちや表情、
歩き方を作り込むところから入ります。
単なる振りや動きを覚えれば良いシーンでは無いのです。

「戦争」。

私達日本人、更に現代の若者は特に「戦争」は身近では無く、
うっかりするとテレビや歴史の中だけの話となってしまっていがちな現代。

だからこそ、絶対に薄っぺらいシーンにしない為にも、
私達なりに学び、研究し、真剣に取り組むシーンです。

「戦争に行かなければならない人の気持ち」、
「戦争に送り出さなければいけない残る人の気持ち」、
「敵と向かい合った時の気持ち、表情」、
「仲間が捕らわれた時の気持ち」、
「怒り、悲しみ、恐さ、悔しさ、憎しみ」
どうすれば、その気持ちがもっとリアルに演じられるか、
どういう表情で、どういう歩き方で、どんな武器の角度で、、、
少し変えるだけで、迫力も臨場感も増します。

そして、普段笑いの絶えない練習時間ですが、
戦争シーン練習だけは、ピーンと張り詰めた空気と緊張感、
もの凄い気迫と集中力の中で作られるので、
笑うなんて以ての外、みんなの真剣な熱気で、
シーンに出ていないキャストまでもが、
ぐったりするほどの濃厚な練習時間です。

今日の練習時間の大半を使い、戦争シーンの大筋が出来、
いよいよ後半配役も決まり、今日で残り49日!!

そう、折り返し地点なのです。

全国各地からキャストが集まっている今回の公演は、
なかなか全員が揃うことが無く、
練習もあっという間に駆け抜けていってしまいます。

東北公演は、「東北でやること」に意味がある。
実際に練習が始まってそう感じました。

震災を経験した宮城の人には、私達がどんなに頑張って
「演技」をしても出せない「リアル」がある。
幸せを喜ぶシーン、仲間と分かち合うシーン、
一転、戦争で大事な人を失うシーン、
瓦礫の廃虚のシーンの悲痛な叫び、すべてを乗り越えた歌声。

私が今ここ東北の地で、そんな多くの仲間と一緒に
ひとつの目標に向かって走れていることは、
それは本当になによりもかけがえのない宝物だと思っています。

本番まで、あと残り半分。
二度と出来ないこんな貴重な経験を、
1回1回噛み締めながら、
この瞬間瞬間を、心の底から楽しみたいと思います。

えりーな(中村絵梨奈・大阪府大阪市在住)