私たちはよく、「自分のもの」であるかのような勘違いをしてしまいます。
この勘違いは、人々の対立、社会の不安定、未来への不安を引き起こす原因の1つなのかもしれません。
自分の名前は、過去から受け継いだ姓であり、親からつけていただいた名です。
自分のお金は、経済によって価値が成り立ち、仕事によって報酬を頂いています。
自分の仕事は、会社という仕組みの中で、多くの人によって支えられています。
自分の所属する会社は、いくら有名でも自分のものではないし、部署や役職も自分のものではありません。
自分の学歴は、学校の名前を使わせて頂いているにすぎません。
自分の知識は、すでに存在しているものを聞いて記憶したただけのものです。
自分の体は、地球のあらゆるものを摂取し、何億という細胞によって形を保っています。
自分の命は、地球における生命の1つであり、それ以上でもそれ以下でもありません。
私たち自身でさえ、すべて自分がコントロールできるものでもありません。
「自分のもの」だと勘違いすることが、大きな勘違いではないでしょうか。
その勘違が、そのものの本来の価値を汚すことにさえなりかねません。
そして、生命をコントロールしたり、自然を自在に操る権利も、私たちにはありません。
「自分のもの」といえるのは、「意志」だけなのかもしれません。
自分という存在を支えてくれているこの世の中で、自分がどんな生き方をするのか。
大切なミッションです。
私たちはとても多くの恩恵を受けて、今を生きています。
よりよい形で、未来に受け継いでいく存在でありたいと思っています。