“自分らしく、たくましい個人を増やし、互いの多様な価値観を認め合える社会の実現を目指す” NPO法人コモンビート(以下、コモンビート)は、さまざまな年齢や職業の社会人・学生100人が集まり、お互いの個性を響きあわせて創り上げる「100人100日ミュージカル®プログラム」を全国各地で開催しています。
プログラム参加者の生の声をお届けする『人生アンサンブル』第20回は、65期名古屋公演に参加している「勝清香(かっちゃん)」にインタビューを行いました。このプログラムを通じてかっちゃんはどのような経験をし、どんな学びを得て、その後の人生にどんな変化や影響があったのか。『人生アンサンブル』、スタートです。
価値観の違いが「面白い」
「世界中の人が友だちになれたら平和な世の中になるかもしれない。」
「誰かのために何かしたい。」
そんな想いから、学生時代に海外青年協力隊としてアフリカへ。アフリカの子どもたちと過ごしていく中で、一人ひとりの魅力や価値観、文化の違いに驚きながらも「面白い」と感じたそうです。
帰国後は中学校の先生となり、忙しい日々を過ごすように。やりがいは感じていたものの、「心が踊るような感覚」を忘れ、毎日同じことを繰り返す日々を過ごしていました。
「人生は一度きり。どうせならもっとたくさんの経験をして、多くの人と出会いたい。」
そんなときに出会ったのが、コモンビートでした。
体験会に参加してみると、アフリカで感じた、「価値観の違いの面白さ」を感じられる空間があると直感。「一つの目標に向かって全力で取り組みたい!これが青春だ!」という想いも後押しをし、コモンビートへの参加を決意します。

思い切って「本音」を伝えるということ
プログラムが始まって、かっちゃんは毎日が楽しくて仕方がありませんでした。年齢も職業もバラバラな大人たちがいる環境に飛び込み、本気で関わる中で「人との出会いが、自分を豊かにしてくれる」ことを実感していきました。職場の人や友人からも「本当に楽しそうでいいね!」と言われることも。
そんな中で悔しい思いをすることもありました。熱量や舞台に立つという想いが、みんなバラバラで、気持ちや動きが揃わず、練習が思うように進まなかったのです。焦りや悔しさを感じて悩みましたが、みんなと心を一つにし、前に進みたいと思ったかっちゃんは、思い切って仲間に本音を伝えることにしました。
「頑張りたい。みんなで限界を超えていきたい!」
自分の想いを伝えたり、仲間の想いを聞いたりすることで、チームの空気が変わっていったと言います。できていないところでなく、できているところに目を向けることで気持ちを一つにすることができました。思い切って本音を伝えて気づいたのは、「応援し合える仲間がいる」という強さでした。そして、自分自身と仲間の成長を実感できて感動したそうです。
「一人では頑張れないことも、仲間がいるから乗り越えられる。笑顔にもなれる」
大人になればなるほど、臆病になり、本音を飲み込んだまま、なんとなく終わってしまうことも。でも、「想いは言葉で届けよう」と決めたかっちゃん。それぞれに想いや価値観があり、バックグラウンドも違うからこそ「伝える難しさ」もあります。あえて仲間と向き合い、言葉を届けることで、深い信頼関係が生まれる。自分の想いや言葉を押し付けるのではなく、「届けるもの」として、言葉の届け方を大切にすることも学びました。

「楽しい」は原動力
初めてプログラムに参加したかっちゃんは、歌って踊れることの楽しさや、大人になっても仲間たちと全力で目標に向かって走っていけること、そして、自分と違う価値観をもった人たちと出会える楽しさを実感。
同時に、舞台を観に来てくれるお客さん、そして一緒に舞台に立つ仲間たちと全力で向き合うことで、「最高の舞台を作りたい!」「どうすればこの熱量を届けられるのか」という想いも強くなっていきました。悩む日もありましたが、仲間たちと過ごす「楽しい」時間が、かっちゃんの原動力になり、乗り越えていくことができたそうです。たとえ、上手くいかないことがあっても、かっちゃんを支えてくれる仲間の存在が「葛藤や大変さ、壁すらも全て力になる」と思えるようになったと語ってくれました。
「こんなに毎日楽しくていいのかな…やっぱり “楽しい” は原動力なんだと思います!」
そんなかっちゃんらしい言葉を聞くこともできました。
子どもたちに伝えたい、「大人って面白い!」
プログラム中、かっちゃんが心を動かされたのは、年齢も職業もバラバラな仲間たちと対話し、表現を通じて、お互いの価値観を認め合っていく時間でした。そこで感じたのは、「人と関わる力」や「想いを伝える力」が、仲間との関係性の中で自然と育まれていくということ。そんな経験を経て、かっちゃんはこう語ってくれました。
「子どもたちに、大人って面白いんだよって伝えていきたい。」
人と人が一緒の時間を過ごし、お互いを知ることで、温かい気持ちが生まれるということ。隣にいる人が笑えば自分も笑える。
誰かが歌えば、一緒に歌える。
「歌と踊りは言葉や文化の違いを超えて、国境を超えて、人と人をつないでくれる、私は、それを信じています。」

『一人ひとりの小さな変化が、よりよい社会を創る。』
あなたも一緒に、ステージに立ってみませんか。ぜひ劇場にも足をお運びください。お待ちしています。