「違い」と出逢う冒険へ! ーある新人航海士の手記ー 第3章 第2話「違いと出逢った先にあったもの」 | NPO法人コモンビート
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「違い」と出逢う冒険へ! ーある新人航海士の手記ー 第3章 第2話「違いと出逢った先にあったもの」

『Diversity Journey』とは、「違い」を切り口に「わたし・あなた・社会」に向き合い、対話とアクションを通して「多様性への身だしなみ」を学ぶ、1ヶ月間のオンラインプログラムです。

参加者の方は船の乗組員として「多様性という大海原に繰り出す船旅」というワクワクする世界観の中へ飛び込んで学ぶことになります。

そんな旅の内容を伝えるのは、長期インターン生・ジュン。
彼女はこの船の新人航海士として乗船し、船内で起こったことを記録しているようです。

今回は最後のページ、11月13日(日)の旅について書かれた彼女の手記を一緒に覗いてみましょう!


【30日目】

2022年11月13日(日)

▶︎〜DJ Showcase〜 at 10:15

ついにこの日がやってきた。
今回の旅の集大成を発表するDJ Showcaseの日だ。

改めて、DJ Showcaseについて少し説明をしよう。
DJ Showcaseとは、この多様性の大海原を航海した1ヶ月間の中での学びを個人が発表する場。
また、航海を終えた後の100日間でどんなアクションをするのかを宣言する場でもある。
それぞれの3分間の持ち時間の中で、これからの旅路がスタートする瞬間を見れるのだ。

アクションのポイントとなるのは、未来のありたい姿をゴールにすること。
自分がどんな世の中でどう生きていきたいかを想像して目標にすることで、前進するための日々のアクションは何をすればいいか?と逆算して考えることができる。
そうしてより明確に自分のゴールへ一歩づつ近づいていくのだ。

さて、13人の乗船員たちは何を語るのだろう。
楽しみと緊張の空気の中、ぽすさんの司会で私たちはステージへと導かれる・・・

▶︎〜DJ Showcaseを終えて〜 at 12:30

こうして発表を終え、船内では暖かい拍手と皆の声が飛び交う。

緊張した〜〜!
楽しかったーー!
面白かった〜!

自分の意見を誰かと話し合う場をこれまでたくさん経験してきた私たちだったが、人前で自分が決めた目標を話すというのはこれが初。
ワクワクとドキドキの旅のフィナーレにはピッタリのイベントだった。

せっかくなのでそんなDJ Showcaseの中から一部抜粋して、これを読んでいる方にも発表内容を紹介したいと思う。

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・それって、本当?決めつける前に
フェイクニュースが蔓延る世の中で、私たちは少しの情報だけで物事をジャッジしていないだろうか。簡単に決めつけてしまう行為で偏見を助長する手助けをしてしまったかもしれないという乗船員自身の原体験から「気がついて、立ち止まること」のがいかに重要かがわかった。

・LOVE YOURSELF
何か落ち込むことがあった時、自分を責めてしまってまた落ち込む。そんな時は自分で自分を抱きしめてみる!という選択もありではないだろうか、という提案。自分に優しくすることで人にだって優しくなれて、そんな人で溢れた社会になればきっと幸福度も高くなるだろう。

・「やっせん!」をやめるために
やっせん、とは鹿児島弁で「だめだ」という意味。普通か普通じゃないか、という基準で勝手にカテゴライズしてくるような言葉に対して「やっせん!」と誰でも怒りたくなるだろう。でもその時に「そもそもその人や私にとっての普通って?」と一歩踏み込んで考えるのも、多様性を知る手段の一つかもしれない。

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この他にも魅力的で多種多様な発表の数々があり、それぞれの違いが光っていた。それでもやはり共通しているのは、発表する時の皆がイキイキしていたというところだ。
ここで、旅の初日の船長の言葉を私はふと思い出す。

「多様性について考えていくと苦しいこともあるけど、それに対してどんなアクションをしていけるかもポジティブに考えていきたい」

そんなマインドになることができるのだろうか、と不安に思ってから約1ヶ月後。
こんなにも前を向いて課題に取り組もうとする姿へと皆は変容した。
たとえ小さな変化だとしても、人は変わることができるのだ。

様々な人が関わっている社会課題という複雑な問題があっても、一人が変わることでその周りの人たちも変わるという単純な解決方法があればなんとかできるかもしれない。
それを最初から口で言われていてもピンとこなかっただろう。
だが旅の中で皆が考えたこと、感じたことを互いに通してそんな気持ちが自然と身に付いていったのだ。

そこで私はあえて人の言葉を借り、これを言いたい。
書を捨てよ、街へ出よう。

多様性を考えるあまり険しい顔で理屈をこねて机に向かっているのに限界を感じたら、誰かとこの船に乗って遠くへ出掛けてしまおう。
きっとあなたも何かを変えていけるはずだ。

▶︎帰港出港式 at 14:30

いよいよ旅は閉幕を迎える。
朝早く起きてラジオを聴き、太陽の下でオリジナリティ溢れるアクテビティをして、昼過ぎにゆっくりと読書をして、明日のワクワクを感じながら眠りに付く・・・そんな充実した生活の幕が閉じるのだ
そして船の甲板に立って海や空を眺めるのもこれで最後。

しかし思い返すと、景色を眺める時間より乗船員のみんなに目を向けていた時間の方が長い。
集団や属性といった大きな捉え方ではなく、一緒に対話をする一人一人としてこの1ヶ月間を過ごしてきた私たち。
多様性に関する社会課題に気がついていく上でたくさんの「わからない」「できない」があったが、それを独りで解決するのではなく、全員でモヤモヤを共有する中でいつの間にか絆が生まれた気がする。

どうしてそう思うかって?
旅をする前と今の私では、世界への見方が少しだけ前向きに変わったんじゃないかと感じるからだ。
旅の初日、自分一人でこの広くて深い海を見ていた時は「なんとなく怖い」という印象ばかりがあった。
でもそんな時は、一緒に海を覗き込んでいる自分以外の誰かが違う見方を教えてくれる。
そうして気づきをもらう日々の中で、「意外と綺麗かもしれない」「思ったより暖かい」「実は泳いでも平気だったりして」と次第に恐怖心が和らいでいったのだ。

と、ここで私は思う。
自分が怖がっていたものは海ではなくて、「それがなんなのかよくわからないことそのもの」だったのではないだろうか。
人は自分が思っているよりも、わからないものの方が多い。生きている中で漠然としたイメージだけで辺りを見渡せば、人も物も全て、自分とは姿も形も違ったよくわからないものだ。
相手が私と同じ日本人だとしても、電車で隣の席に座っている人のことはよくわからないし、コンビニのレジに並んでいる人だってよくわからない。
こうして文章を書いている私のことをわからない人の方が世界には多いし、なんなら自分で自分のことすらわかっていないかもしれない。

でもそういった「わからないこと」を克服していくためには、いろんな人たちから感じ方や考え方といった違いのピースを集めて、自分なりのパズルを完成させることが大事なのではないだろうか。
モヤモヤしながらもパズルを埋めていくうちに全貌が見えてきて、「あ、これかもしれない」と思った瞬間に見える景色が変わる。
違いとの出逢いの先にあるものは、またしても違いとの出逢いなのだ。
この船に乗った13個のピースがそれを生んだ。
次にそのピースたちは船を降りた後の出逢いの中でも増えていくだろう。

私たちは慣れ親しんだ船を降り、久しぶりの陸を両足で踏み締めていく。
物語の本番はここからだ。


彼女の手記はここまで。
全6回に渡って綴られた想いはどうでしたか?
ここでは長期インターン生であるジュン視点で文章が書かれていましたが、参加する人によって気づくこと、感じること、考えることはみんなバラバラ。
もちろん、ここに書かれていない出逢いをすることもきっと大いにあるでしょう。
それがなにか・・・は、参加してのお楽しみ!

コモンビートがお送りする多様性の大海原の旅はこれからも続きます。
あなたも海の上で自分の物語の1ページを作ってみませんか?
Diversity Journey第4期プログラムの参加者募集も始まっています!
つまり、新しい冒険の始まり。

説明会では、プログラム内容の紹介はもちろん、参加者同士で対話する時間もあります。ぜひいらしてください!

▼オンライン説明会
12/1(木) 20:00-22:00
12/12(月) 20:00-22:00
12/19(月) 20:00-22:00

申し込みフォーム
https://commonbeat-dj4th-intro.peatix.com/

※説明会に参加せずとも、本プログラムへの参加は可能です。

Diversity Journeyのプログラム内容は、団体Twitter・インスタグラムストーリーでも随時情報発信中!
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