「コモンビートは、どんな人に参加してもらいたいのですか?」
こういう質問をよく受けます。
私は、
「活動に共感してやる気があれば、誰でもWelcomeです」
と答えています。
コモンビートは、「やりたい気持ちが参加資格」で集まった100人がミュージカルを作ります。
初顔合わせの初日まで、一体どんな人が集まったのかさえ、私たちにはわかりません。
でも、それこそがコモンビートのプログラムなのです。
たとえば、NPOなどの組織を作ると、とても同質の人が集まりやすいものです。
でも、同質が集まるとどうなるでしょうか。
異なる意見を出すことに、ためらいを感じるようになります。
自ら波を立てるようなことをしたり、嫌われるのを避けたがります。
ですから、「環境の慣れ」は、感性を鈍らせ、危機感を低下させていきます。
マネジメントも対応がパターン分けされるので、マンネリになっていきます。
そして遂に、組織は機能しなくなり、弱体化していきます。
同質の人と一緒に居るのはとても心地が良いことです。
これは、ポジティブでもネガティブも、全く同じです。
自然現象に感動するのも、人の批判をしているのも・・・同質であれば心地が良いのです。
異質を避け、できるだけ同質の人と関わりたいというのは、本能です。
意志の通じやすい人と集団を作っていたほうが身の安全を守ることができるからです。
ですから、誰もが無意識に同質化していきます。
異質と向き合うには、刺激が伴います。
その刺激から様々な感情が生まれます。
異質を取り入れるのにはとても勇気がいります。
わざわざ嫌いな食べ物に挑戦するようなものです。
取り入れた後にも、様々な反応に悩まされます。
異質とわかっているわけですから、何かしらの抵抗が自分の中にあるでしょう。
* 取り入れなければ良かったのでは?このままの状態が続いたらどうしよう・・・
でも、異質を取り入れなかったら得られない経験です。
その抵抗感こそが、1つの学びであり、成長するきっかけなのだと思います。
世の中は、自分の思い通りにうまくいくことなんて、全くありません。
* あの人が嫌い、チームにこの人さえ居なければ、あの人と話をしたくない・・・
そういったことは誰にでもあり、そして、毎日のように起こります。
そして、一生避けて通れません。
一生、愚痴を言って生きていくわけにもいかないのです。
きっと私たちに必要なのは、こうした環境への対応力なのではないでしょうか。
人はそれを経験と呼ぶかもしれません。
私は、免疫力のようなものではないかと思っています。
自分の感情を理解し、抵抗するだけではない方法が何かあります。
それは人それぞれにあると思います。
コモンビートの100人100日プログラムは、こうした環境を作っていると思っています。
「やりたい気持ちが参加資格」ですから、誰が集まるかわかりません。
どんな人とも、うまくやっていかなければなりません。
それはキャスト同士も、スタッフも、みんな環境は一緒です。
だから、できるだけ異質な人が100人集まるほうが、プログラムとしてはおもしろいでしょう。
もっとも、運営する側は大変ですが(笑)
コモンビートの活動は、ひとりひとりが違っていい、ということを感じる体験です。
世の中は、違うことを恐れ排除したり区別したり差別したりして、自らを守ろうとし、戦争を繰り返しています。
戦争は世界や国のことではなく、ひとりひとりの身近な事から起こっていることの象徴ではないでしょうか。
私たちは戦争反対を訴えることを目的とした団体ではありません。
ですが、私たち1つ1つの行動が、様々な問題を生み出す原因になっているということを学べる環境を提供しています。
気づいた人たちの意識が変わり、行動が変わり、社会が変わっていく。
これは戦争に限ったことではありません。
私たちの問題は、私たち人間が生み出した問題ばかりなのですから、
私たち人間が解決できるのではないでしょうか。