コモンビートは大人の学校のようなもの | NPO法人コモンビート
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コモンビートは大人の学校のようなもの

私たちはよく、演劇団体と勘違いされました。

最近では伝え方やメッセージなども工夫して、少しづつですが劇団じゃないということをうまく伝えられるようになってきたように思います。

劇団と私たちNPO法人コモンビートとの共通点と違いはどこにあるのでしょうか?

共通点という意味では、演劇やミュージカルなど①踊って②歌って③演技をする、ということでしょう。

芸術ということへの取り組みは生易しいものではないですから、その技術向上のために鍛錬しなくてはなりません。

鑑賞という目的で芸術やストーリーのすばらしさを伝えることにも変わりはありません。

劇団といっても劇団四季のような超プロフェッショナルな団体からアマチュアまで、レベルはどうにせよ目的は一緒だと思います。

相違点はどこにあるでしょうか?

まず、劇団が芸術表現という意味での技術向上を主眼においているという点です。

劇団に出ている人はそれを生業としているわけですから報酬をもらっています。

見に来る人はその芸術の対価として鑑賞料を払うことになります。

ですから、有名劇団はとても高いお金を支払って見ることになります。

これはある意味ビジネスとして成り立っていることであり、営利目的です。

それに対しコモンビートは、技術向上はもちろん行っていますが、目的ではありません。

技術向上を通じて芸術の厳しさなどを学び、ショウを実施するということにおいての技術向上の必要性を体験します。

また、出演者は共育プログラムに参加し学ぶということのために参加料を払っています。

実際にはスタッフもスタッフプログラムを実施するというプログラムのために参加料を払って運営しています。

そして公演というものを実施しますが、これは芸術鑑賞という意味も当然含んでいますが、私たちの活動や理念、目的などを伝えるための場なのです。

一般社会で普通に働いている100人が100日でプロ顔負けのミュージカルができるということを通じて、情熱や感受性の大切さなどを伝えています。

「一般社会人の素人が舞台に上がっているわけだから、カルチャークラブの発表会とどこが違うのか?」という質問も受けます。

違いの一つには、プロにも劣らない演技力があります。

プロは演技のスキルで場面を作っていきますが、私たちは自らが100日間で学びあった経験から場面を作っています。

たとえば、戦争シーンで戦う場面などの場合、「怖い顔をするという表現を教えられて作る」ということはありません。

本当の戦争では単に「怖い顔」というものを作ったとしても、表面的なシーンは作れますが伝わりません。

私たちは「本当の戦争という場面で人はどういう気持ちになるのか」ということなどを徹底して話し合い、その際に出てくる感情などをお互いにシェアします。

そして舞台に立つキャストそれぞれに生まれた背景や関係に設定を作り、シェアした感情などをその場で作り出すことによって、迫真の演技を生み出しています。

そして戦争シーンが終わった頃には、会場のお客さんからはすすり泣く声さえしてきます。

「いままで感じたことのないようなエネルギーを感じた」という声をたくさんいただくのは、こうした「共育から生み出される演技力」が伝わるからなのだと思っています。

また私たちは、NPO法人という成り立ちからあるように、この活動を非営利でやっています。

非営利とは営利を目的としない活動のことであり、コモンビートは、

「社会が抱えている問題=感受性と情熱が不足しいろいろな問題が起こる原因を作り出していること」

に対して、誰でもチャレンジすればできるということを、ミュージカルを作る活動を通じて証明し、多くの人に伝えていきたいと思っています。

また、このミュージカルに出るキャストたちが共育プログラムを通じて学んだことを活かし、社会で活躍していくことを望んでいます。

ある人に言われました。

「コモンビートって、大人の学校のようなものだね。大人の学び直しの場を作っているし、それに気付かせてくれるのが公演なのかもしれないね」

そうかもしれません。

大人になると、誰ももう教えてはくれません。

だから、気付くきっかけも必要ですし、それを学ぶ場も必要です。

私たちのキャストへの参加が受付開始30分以内で定員に達したり、20回以上も公演をしてすべて満席になるのは、社会全体がどこかそういうものを求めているのかもしれません。

私たちはその皆さんの期待を受けて、期待以上のプログラムを提供できるようがんばります。

さて公演まであと2日!!

大阪から東京、名古屋と300人で9回、13000人の興行が始まります。

また新しい出会いと感動が生まれそうです。

よろしくお願いいたします!