ピースボートの災害ボランティアとして石巻で活動を続け、
今回キャストとして参加をしている
エリコこと嶋田江利子さんから届いた1月6日の練習レポートです。
午前はシーンの練習や場当たり、午後は昨日から大道具が入って
二回目の衣装つき通し、がメインな練習内容でした。
朝からのブラックスピリットと呼ばれる本番の舞台で
パネルを操作する皆さんも動きの練習をしていて、
私たちキャストよりタイトな日程なので大変だな、なんて横目で思っていました。
翌週にその成果を見せてもらいましたが、そこは東北公演、
とんでもなくスペシャルなブラピの動きになってます。
もう拍手喝采で大興奮。当日必見です。
彼らに負けてられません!
権力者の役をいただいているわたしは、
公式練習時間中「見てる」ことが多いです。
「出演しないシーンの練習が続くため」ですが、
いっしょに振りをやったり歌ったり、また、正面からキャストの表情や動きをみて
あーだこーだ本人に意見したりしていました。
鏡というものがまるでない練習場です。
大きく変更したシーンもあり、何かの役に立つんじゃないかと、
お節介まるだしです。
いいんです。
One for All , All for One. で互いに循環できたらサイコーじゃないですか。
それなら、いつ練習してるの、と思われそうですが、
幸いなことに、わたしは赤大陸の団長と重なるタイミングが多く、
夜な夜なセリフを合わせたり、活動の行き帰りの車中で
同乗者が何度も繰り返しずっと同じ歌歌ってたり、
朝は朝で全力でアンパンマンを歌ったり、
褒めあったり気持ち悪がったりしています。
個人的には戦争のシーン、
何度も同じことを指導されていて、本当に自分にげんなり……。
同時に、少しずつ良くなっているといってくれているキャストもいるので、
その仲間の言葉を支えに乗り越えていきたいです。
もういくつ寝るとー本公演。
一回しかない東北公演。
一回しかない石小講堂。
まだ60点しかもらえてなくて、まだまだ大ジャンプが必要だし、
聞くほど手ごたえとか感じてないし、不安ばかりだけど、
あっという間の一時間半を精一杯楽しみたいと思います。
コモンビートとの出会いは、ピースボートの災害ボランティアとして
石巻の「川開き祭」で「きゅうりを1000本売る」というミッションをこなしていたとき、
向かいで行われていたパフォーマンスをず~~~っと聞いていたのが最初です。
生来歌うことは好きなので、石巻に残って参加するかどうか、
東京に帰って毎週通うかどうか、いろいろ迷ったのですが、
小学校の卒業文集に「ミュージカルに出たい」なんて書いたことを人知れず思い出してしまい、
「こんなに環境が揃っていてここで流れに乗らないなんて大バカだわ」と
石巻に残りボランティア活動も続けながら参加するというかたちをとることにしました。
実は夢を叶えている真っ最中。
ピースボートの支援のうち、
担当していたボランティア活動が終了に近づいた9月末、
約半年かけて作り上げた人間関係を断ち切って物理的に「帰る」ことが選べなかった私。
活動が終わっても、石巻にいるよ、近くにいるよ、というつながりを示したかった。
というか、単純に残りたかっただけなのかも。
出発点はそこだけど、100日を106人と過ごしているうちに、
それは少し変容したように感じます。
やっぱり「繋がっている」ということなんだけど。
それは東北だけじゃなく全国から集まった奇跡の106人に対してもそうだし、
106人が一つのものを作り上げてきたことを観客の方々にも示したい。
確かにここは被災地で悲しいことや失ったものはたくさんあるけど、
私たちはこうやって地に足踏み鳴らして生きてるんだもの。
そんな「キラッキラ☆」を会場のみんなで分かち合えたらなぁと
うっすらぼんやり思っています。
レポート:エリコ(嶋田江利子・東京都大田区出身、現在石巻在住)