人生アンサンブル_07 あっ、今は息がしやすい── 優等生モードからの脱却。 | NPO法人コモンビート
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人生アンサンブル_07 あっ、今は息がしやすい── 優等生モードからの脱却。

ダイバーシティ&インクルージョンは、わたしとあなたのこと──。
コモンビートは、「わたしとあなた」という一人ひとりを起点に、個性が響き合い、多様な価値観を認め合う社会を目指して活動しています。「人生アンサンブル」は、コモンビートの活動に参加者がどのような思いで関わり、仕事や日常生活にどんな変化が起こったのかをコモンビート広報室がお届けするシリーズです。

今回の主役は、「バババ!場づくりゼミ」に参加した村上知里さん(以下、ちーたん)です。バババ!の参加者は、コモンビートが20年にわたって蓄積した「人がイキイキと過ごす場づくりの知見」や、「ダイバーシティ&インクルージョンの身だしなみ」を学び、職場やそれぞれの場で実践します。さぁ、ちーたんは何を課題に感じ、どう学び、職場と自分を変えたのでしょうか。


お通夜のような職員会議

ちーたんは、2〜6歳の発達障がい児の先生をしています。コモンビートとの関わりは、バババ!とは別のプログラムであるミュージカルに参加した事です。そこでコモンビートの場を体験し、多様な仲間と愉快に過ごせた事が強く記憶に残りました。

一方の職場では…。

司会者「共有事項として、この前XXXがありました。今後、こう対応しようと思います」
参加者「はい」
司会者「他に、子どもたちや職場について何か意見がありますか?」
参加者(しーん)
司会者「それでは会議を終わります」

といった感じで、お通夜のような雰囲気があったそうです。一人ひとりの職員が忙しく、敢えてこの場で意見を言おう、場を温めて職場を活性化しよう、とはなりにくいのが実情。でもコモンビートの練習現場では、みんなイキイキと発言したり協力しています。この違いを知りたくて、ちーたんはバババ!に参加しました。

ミュージカルプログラム参加時の様子

みんながフィードバック、だから自分の場づくりが実現

バババ!場づくりゼミは、コモンビートの場づくりメソッドについて学ぶ事から始まります。まずは、心理的安全性、居場所感、エンタメ思考など、場づくりをする上での要素をどんどん吸収します。そして、普通の研修と違うのは、徹底した実践です。

バババ!場づくりゼミの構成

セクション2ではオンラインで実際にワークショップを企画運営し、ゼミ生やメンターからフィードバックをもらいます。ちーたんは、「あー言われちゃった」「えっ、そこが私の長所なの!?」とたくさんの気づきがあったそうです。正直なフィードバック、そして、それが素直に受け入れられるのも、種類は違っても「場を何とかしたい」と思っている仲間同士だから。

セクション2でちーたんが挑戦したワークショップの様子

オンラインで実戦練習をした後は、いよいよ職場で実行に移します。と、その前に。職場に入るにあたって、ちーたんは、どういう事を考えていたのでしょうか?

「本当は、職場の雰囲気や文化を変えるのって、組織長がする事だと思うんですよね」
「お客さんである子どもたちや、親御さんに対して場づくりをするのはいいけれど、同僚には別に求められてないしな…」
「いやいや…。バババ!に限らずに、学んだ事の実践は好き、今回もしっかりやろう!」

と少し揺れながらも、職場の色を塗り替える事に前向きになっていました。

なんか私らしい、職場でも息がしやすい

ちーたんは、職場をより良くするために、リスクを取りにくい雰囲気、職員同士が互いの長所を把握できていない事を課題に感じていました。バババ!に参加していなかったら、そのままにして、自分から変えようとは思いませんでした。

でも、「挑戦したら、こうなったよ」と成功も失敗も共有できるセーフティーネットがある。上手くいかなかったとしても「バババ!」のせいにしてしまえばいい。場所も課題も違うけど、同じように頑張っている仲間がいる。ちーたんは、魔法がかかったように、なんでも挑戦していきました。

いよいよ職場での実践にトライ!

そして、定例会議で「子どもたちの心が動いた瞬間」「職員として頑張った事」を共有する事から始めました。「それでも、最初は反応が薄かったんですけどね」と、ちーたんは少し悔しそうに振り返っていました。けれど、ちーたんは、諦めません。なら、もっと話しやすい小さな場だったらどうだろう、と考えなおしました。

すると、「わたし、こういう事がありました」と、ぽつぽつと声が上がり始めました。この頃になると、ちーたんは職場において「何か変えようとしている人」と映り、共感した人が少しずつ増えていたのです。

極めつきは、ちーたんや大人の様子を見ていた子どもたちから、「先生たち、何か楽しそう」と言われた事です。彼女は、それをとても嬉しそうに教えてくれました。「今、私らしく過ごしている実感があります。『あっ息がしやすい』って感じです。何か、優等生モードから脱却しちゃったみたい。」そして、「場づくりって、リーダーだけじゃなくて、どんな立場の人でもやれるものなんだ」と、言葉を繋いでくれました。

職場で同僚の方々からいただいた手紙

ちーたんの物語は、ゼミが終了してもまだまだ続きます。

関わる人がひとりひとりの違いを楽しみ、イキイキとする「場づくり」を、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」と「エンターテイメント」の視点から、実践を通して学びませんか?
バババ!場づくりゼミ3期、参加者募集中です!