「日本一の星空」
僕達が群読の中で読み上げたこの一節に偽りはなく、阿智の夜空は見上げると沢山の星が見えました。
水色のボディに星と月の柄が入ったダウンベストを見つけた時、「これ阿智村で着てぇ!!!」と思い購入。このダウンベストを着ることで東京にいても阿智の星空を感じていました。
もざいくプロジェクト。
このプロジェクトの最後のブログをキャストの佐藤一平(いっぺい)が発信したいと思います。
11月6日。朝7時。新宿スバルビル前集合。バスはもざいくキャストを乗せ緩やかに阿智村へ出発。
おしゃべり、朝食、お菓子、睡眠と皆それぞれの時間を過ごしバスは走ります。もざいくオリジナルソング「こころの道」の無限ルーティンを聞きながらまったりとした時間が過ぎていきました。
隣の座席に座っていた黒川大輔(クロ)さんが「AKBの板野友美ちゃんって可愛くない?」と一言。
「えっ!やっぱり可愛いよね!総選挙で4位だったんだよね!」と僕。
待ってたよ、クロ。その話がしたかったんだー!
うれしい、たのしい、大好き!
そう、つまりそういうことです。
バスの中・山の中・民泊させて頂いたお家の中。
このプロジェクトには穏やかな空気が流れていて、そんな空気だからこそ開通する「こころの道」もあるのだということです。
練習では毎回キャスト全員の顔が見渡せる。ミュージカルにはなかった魅力。
キャストみんなの距離が近いプロジェクトでした。
僕達がつくった作品「道」には、前面に押し出されるエネルギーや情熱はなかったけれど、
芯には暖かさや感謝の気持ちを届けたい意志があったように感じます。
芯の部分はきっとこの穏やかな空気をキャストのみんな、そして阿智村の方々と共有することで育まれてきたのだと思います。
阿智村へ到着。
小学校の体育館で最後の練習です。みんなで本番用のジャバラ式台本を作ると気持ちが高まります。
この練習で本番の舞台に出演してもらう阿智のこども達と初対面。
東京も阿智も同じ。やっぱりこども達は可愛い!
そしてこども達は新しい人・新しい物が大好き!
東京からやってきた大人達を追いかけ、乗っかり、思いきったスキンシップを求めてきます。
僕はこの時、「ちょっと待って。こころの準備がまだできてないから。」って思っていました。
僕が衣装として首に巻いたキツネマフラーを強引に掴み、引っ張るこども達。
「壊れから、やめて!」ときっぱりとお断りをしました。
東京も阿智も同じ。可愛くたってダメなものはダメです!
そして
バスの中ではまったりしてたってやる時はやるのがコモビなんだぜ!
そうなんです。この日はもう本番前日。僕たちのありったけをこの練習にぶつけなければならないのです。
大人の本気!見せてやる!
こども達のお帰りの時間に配慮しつつ練習は進められていきました。
場面ごとの細かい展開や繋ぎ方。短い練習時間の中みんな集中して取り組みます。群読を読み始めるタイミング。呼吸を合わせ大切に伝えていきます。
緊張で言葉が走らないようにと、演出の長紘子(オサ)さんからの指示がありました。
言葉がブレると伝わる想いもブレてしまう。
全くのゼロベースから創り出した作品。ひとつひとつの言葉に僕達の想いが込められているのです。
練習を終えるとみんなで輪になりお弁当を食べました。阿智村の方々の手作り弁当だそうです。とにかくおかずが充実し色鮮やかなお弁当です。
特に僕の目を引いたのは…刺身に焼き魚、煮魚でした。
魚という食材が持つ可能性を全力で追求したようなラインナップは「おいしい。」ということ以上に何か訴えてくるものがありますね。
その後はみんなで温泉へ。僕は男湯に入りました。
うん。ここからは男の子の時間。
多くは語りません。ただ、風呂場の去り際に男達の共通の鼓動を感じることができました。
本日最後にバスに乗り向かう先は阿智村公民館。そこで阿智の方の踊りや中学生の合唱などを観ました。
中学生の合唱。思い出されます。それは阿智神様のいたずらか。
思春期の危うさにドキドキさせられたのは僕だけだったのでしょうか。
しかし、夜のお楽しみはこれだけでは終わりません。いよいよ民泊です。
かねてから希望をしていた原和信さん宅にお邪魔しました。
イェーイ!2回目の民泊なら緊張もほぐれるというもの。
居間へ通されると意識もしてないのに瓶ビールとおでんに目線が奪われます。
阿智村の民泊では絶対に美味しいものが頂けるのです。
普段は穏やかな和信さんが瓶ビールを掴む時、その腕に力強さを感じます。
僕以外の他のキャストも和信さん宅には慣れている様子。
この時いっぺいは予測通りの展開に胸が踊り、期待以上の何かが起こる気配を感じていました。そして、その「何か」は確かに起こりました。
夜の村内放送で我々もざいくプロジェクトチームが明日の阿智村祭りでパフォーマンスすることが告知されたのです!
やったー!
もざいくプロジェクトチームは阿智村でメディアデビューを果たしました!
この放送を聞いて阿智村の方々が明日のパフォーマンスを楽しみにしてくれるかもしれない。
そして、それぞれの民泊先にいるメンバーが僕と同じようにドキドキしているかもしれない。
そう思うと一瞬でも皆がひとつのものを共有できたような気持ちになり村内放送に耳を傾けるこの時間がとても素敵なものに感じられました。
「水」と呼ばれる日本酒と薪ストーブの温かさ、仕事の疲れが相まって気がつけば眠くなり布団の中でした。