「違い」と出逢う冒険へ! ーある新人航海士の手記ー 第2章 第1話「嵐が起こる?私たちのソーシャルアクション」 | NPO法人コモンビート
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「違い」と出逢う冒険へ! ーある新人航海士の手記ー 第2章 第1話「嵐が起こる?私たちのソーシャルアクション」

『Diversity Journey』とは、「違い」を切り口に「わたし・あなた・社会」に向き合い、対話とアクションを通して「多様性への身だしなみ」を学ぶ、1ヶ月間のオンラインプログラムです。

参加者の方は船の乗組員として「多様性という大海原に繰り出す船旅」というワクワクする世界観の中へ飛び込んで学ぶことになります。

そんな旅の内容を伝えるのは、長期インターン生・ジュン。
彼女はこの船の新人航海士として乗船し、船内で起こったことを記録しているようです。

ではさっそく、今回は10月30日(日)の旅について書かれた彼女の手記を一緒に覗いてみましょう!


 【16日目】

2022年10月30日(日)

▶︎DJ Radio at 9:40

およそ1ヶ月間の船旅は今日で折り返し地点に来ている。
こうして朝早くから、ソーシャルな話題のラジオに耳を傾けることにも皆慣れてきた。
社会の中で渦巻いている問題と向き合うことは体力を使うことだが、出航初日よりも皆の向き合う姿勢はたくましく見える。

それと同時に、「海は広くて深いから怖い」から「海は広くて深いからこそ面白い」と感じるようになり、私の海に対する見方に変化が起こっていた。
しかし、そうした感情のポジティブな変化を感じて嬉しい反面、疑問に思うことだってある。

自分の行動に変化はあるか?と。

このDiversity Journeyは「多様性への身だしなみ」を学ぶ旅だ。
どれだけ多様性への知識を頭に入れたとしても、それを身の回りにある多様さに活かすことができるかが重要なのだ。

今回のラジオの冒頭で、「インクルーシブな言葉遣いをできてますか?」とケンジが言った。
インクルーシブな言葉遣いとは、相手自身の個性や特性を理解し、配慮した表現で相手と向き合うことだ。

「そんなの相手が誰かなんて関係なく当たり前でしょ?」と思うかもしれないが、この手記を読んでいる方々に覚えておいてほしいことが一点ある。
それは、自分とは違う相手のアイデンティティに触れた際に、
「気にしなくていいよ」「私は気にしないよ」
という言葉を返すことは、一見優しくみえても相手にとっては残酷な言葉になるかもしれないということだ。

この言葉の裏には、
「あなたが気にしている問題は私には気にするほどの問題ではない」
という無意識が込められていないかよく観察してみてほしい。

本人が大丈夫かそうでないかは その人自身が決めることで、それを他者が「気にすることはない」と言うことで当事者の問題が矮小化されてしまう。

その話を経て、「戦っている人たちのことをどうか応援してほしい」というケンジの言葉はより切実に私に届いた。
声を上げている人たちの声が大きいのには理由があるのだ。

▶︎「ソーシャルアクション」とは? at 11:10

知ったからには何か行動がしたい。
でも考えれば考えるほど、自分なんかに何ができるのだろうかと思ってしまう。
社会問題という大きな岩盤に私みたいな小さな波が打ち付けられたところでどうにもならないのではないのか?

一つの事故を防いでもまた一つ事故が起こる。
一人の病気が治ってもまた一人病気になる。
そんな不条理な現実で何かを良くしても何も変わらないのかもしれない。

なんだ、このどうしようもない無力感。
皆の気持ちが鉛のように重くなって海の底まで沈みそうになっていた・・・。

と、そんなところへ助け舟が!
幾度ものモヤモヤの嵐の中を進んできた船長からだ。

船長は、一般社団法人社会創発塾の設立者・鈴木寛さんの言葉を引用しながらこう語る。

「ソーシャルアクション(社会を変えるための行動)って難しいよね。
でも、人は微力だけど無力ではないんだよ」

なるほど、世の中の変容というものは指数関数的なもののようだ。
噛み砕いていうと、小さなことが積み重なっていくとある一定のところでグッと伸びて成果が目に見えてくることだ。

自分自身を変えるのも、身の回りを変えるのも最初はたった5%から。
つまり、100日間のうち5日間頑張ってみるだけでも効果があるということ。

「それなら自分にも何かができそうな気がしてきた」と前向きになるメンバー。
野球好きな船長は皆にホームラン級の熱を与えたのだった。

☆本内容で取り上げた、一般社団法人社会創発塾の設立者・鈴木寛さんの記事はこちらから

▶︎キャビンノッキング at 12:30

それから皆はそれぞれのキャビンへ戻って恒例の壁打ちをした。
壁打ちとは、壁に問いかけるように自分の悩みや課題について相談する「相互メンタリング」の仕組みのこと。

メンバー同士でこれを繰り返すことによって、大きな岩盤を少しでも動かすための知恵を生み出していくのだ。

それはどんな岩盤で、どうやって動かしていくのか?
考えていくことは思った以上に大変だ。
しかしその大変さも冒険のうち。
嵐の中の心細さも、誰かと乗り越える楽しさがあるのだから。

うーむ・・・ふむふむ・・・なるほど・・・。
大きな海に出れば出るほど大きな問題も付き物ですよね。
これまでの旅ではその問題を「知る」ところに重きが置かれていましたが、これからの旅では知った上で「動く」ことがポイントになってきそうな予感がします。
メンバーがそれぞれ何を知り、どう動いていけるのか・・・
今後の冒険もどうぞ最後まで見届けてください!

このDiversity Journeyのプログラム内容は、団体Twitter・インスタグラムストーリーでも随時情報発信中!また、次回4期プログラムの参加者募集も始まっています。
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