6/9(木)、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をテーマに、違いを知り、違いと出会い、違いとつながっていくための「See the difference」の第15回が開催されました!今回のゲストは、一般社団法人 手話エンターテイメント発信団 oioiの岡﨑伸彦(のぶ)さんと石田竜士(りゅうじ)さんです。
oioiのお二人がご登場!
参加者のチェックインやコモンビートの団体説明をしている約20分の間、お二人はzoomの画面上に姿を現しませんでした。しかし満を持して登場すると、一気にその場の雰囲気はガラッと変わり、りゅうじさんが「みなさん手を振って~!」というと、参加者のみなさんは笑顔で手を振り返し、画面上が一気に賑やかになりました。
画面上から一列目、左から二番目がゲストのお二人です。雰囲気が一気に変わりました
一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioiが目指す社会
oioiは、きこえる人ときこえない人が一緒にオモシロがれる社会を目指して、「手話コント」や「手話歌」などの手話パフォーマンス活動をしている団体です。きこえる人ときこえない人の間にある、目に見えないバリアを壊すという「バリアクラッシュ」という活動理念があること、そして、本イベントの参加者のみなさんにもバリアをぶっ壊して楽しんでほしいと伝えてくれました。
この説明も含め、これ以降お話しする時はずっと手話を交えて説明してくれました。
のぶさんとりゅうじさんからのお願い
のぶさんとりゅうじさんからお願いが2つありました。それは、「リアクションしてほしい!」「話すときはわかりやすく♪」です。これには理由があります。ここまでテンション高く「いえーい」と言っていたのぶさん、実は耳がきこえないのです。口の形がはっきりと見えるように話してほしいと言われると、参加者のみなさんは元気にわかりやすくリアクションをしていました。
OKのリアクション
きこえないってどういうこと?
のぶさんが、「きこえたらOK」ではないと言いました。どういうことなのでしょう。
感音性障害という聞こえ方では、聞こえたとしてもぼやけて聞こえます。なので、もし耳が聞こえない人と話す機会があったときには「今の聞こえた?」ではなく、「今のわかった?」と聞く方が良いそうです。相手がどのような聞こえ方をしているか、そしてどこまで理解しているのかなど、相手のことを知ってからコミュニケーションを取ることが大切だと教えてくれました。
きこえない人とのコミュニケーション手段
実は、聞こえない人が全員、手話ができるとは限らないそうです。のぶさんも手話を学び始めたのは大学3年生の時だったそうです。
では、手話じゃなければどのようにコミュニケーションを取るのかという質問が投げかけられました。すると、参加者の人は手を上げて、ゆっくり話しながらジェスチャー付きで回答してくれました。紙に書く、スマホに書く、口話(唇の動きを読み取る)、などの意見が出ましたが、もし紙もスマホを持っていなかったり、マスクで口話ができなかったら、やはり手話が有効です。
決めつけずにコミュニケーションを
突然ですが、きこえない人は、例えば教室のどの席に座るのが良いと思いますか?
1.1番前の両サイド
2.前から2番目の両サイド
3.1番後ろの両サイド
4.1番前の真ん中
5.前から2番目の真ん中
6.1番後ろの真ん中
多くの方が、4番の、1番前の真ん中の席が良いだろうと想像していました。
4番で手を挙げる方々
そしてのぶさんも、小学校中学校の頃、ずっと4番の1番前の真ん中の席だったそう。席替えに参加できなかったことがつらかったそうです。
そのうえ、1番前に座っていたら先生の口が見えるわけではありません。このように、口元が教科書に隠れてしまいます。
先生の口元が見えない様子を伝えてくれています
さらには、先生が黒板に書きながら黒板の方を見て話す姿や、教室をうろうろと歩く姿は、のぶさんにとっては口元がみえなくなってしまいます。1〜6限目まで何を話しているかわからない時間が続いたそうです。
耳の聞こえない人はこの席がいいだろう、と決めつけず、本人と相談して決めてほしいと言っていました。
手話体操
クイズが終わると、次は身体を動かして手話体操です。
ここでoioiのお二人からアドバイスがありました。
「きこえない人には、あなたの表情があなたの気持ちになります。」
さて、ここからは18個の手話のインプットのあと、ラジオ体操の音楽に合わせて手話体操をしました。
写真をいくつかピックアップしました。雰囲気をお楽しみ下さい。
「お茶」
「嫌、やめて」
「I LOVE YOU」
「家」の手話を「いえーい」にしています
手話体操が終わると、みなさんやりきった表情をされていました。
そしてoioiさんからのメッセージです。
「知らないことは楽しみながら知ればいい」
「怖がらずにやってみよう」
手話を身近に感じてもらうために
oioiさんにとってのお笑いとは何ですかという質問に、のぶさんは、手話は聞こえない人だけが使うものというイメージがある中で、手話に興味を持ってもらうため、お笑いを通し、ふざけることで、手話が身近なものに感じてもらえるようにしている。と答えてくれました。
イベント最後は、それぞれが踏み出すアクション宣言!
ゲストののぶさん、りゅうじさん、参加者のみなさん、学びある時間をありがとうございました!
次回の8/9(火)開催のSee the Differenceのテーマは、「学校が閉じ込めている個性」です。ぜひお楽しみに!
インクルージョンチーム 学生インターン
橋本佳恋(かっきー)