【違うからこそ】共に歌って、踊って、心が動く | NPO法人コモンビート
企業・自治体の方 学校関係者の方 お問い合わせ

【違うからこそ】共に歌って、踊って、心が動く

NPO法人コモンビートの代名詞とも言える、ミュージカル「A COMMON BEAT」プロジェクト。これまで全国で、様々な年齢・職業・個性の市民6600人以上が参加したこの舞台が、新型コロナウイルス感染症の影響による約2年間の休止を経て、今年ついに帰ってきます!

「あらゆる違いを越えて、共通の鼓動を奏でることはできるのか」

ミュージカル再開にあたり、作品が持つこのテーマから団体が込める思いまで、コモンビートのスタッフがリレー形式でお伝えします。


理事 / 研究室室長のゆーき(河村勇希)です。この肩書からは「堅苦しいやつなんだろう」と思われるかもしれませんが、自身は堅苦しさの欠片も無い人間です。この記事もぜひカジュアルな感じで読んでもらえたら嬉しいです。


「あらゆる違いを越えて、共通の鼓動を奏でることはできるのか」という問いに対して、コモンビートはなぜミュージカルという手段を選んでいるのか。これについて(一応ですが)僕の専門である「表現教育」という視点から話せたらなと。ただ基本的には僕の主観で話すのであまり厳しい目で見ないでくださいね。

極論ですが、コモンビートのミュージカルは「大人の文化祭」だと思ってます(明日には違うこと言ってるかもしれません笑)

文化祭って、元々ゴールや内容が決まっているわけではなくて、その場にいる人たちの好きなことや得意なことから「やりたいこと・ゴール」をみんなで決める。「焼きそばを売ろう」ってなったら、焼きそばを作る人、会計をする人、呼び込みをする人、具材を準備する人、テントを立てる人、みんなが楽しめるように盛り上げる人…それぞれが役割を持ち、もしくは自分で見つけて1つのゴールに向かって進んでいく。その時に意見が合わなくてモヤモヤすることもあるけど、みんなで焼きそばを売り切るんだ!という想いが一致しているからこそ、何とか折り合いをつけながら進んでいける。そして焼きそばを売り切った時には、売上やその結果に関わらず「このメンバーでやれてよかった」と言いながら号泣して、3年後の同窓会でもみんなこのことを覚えてて、良い思い出になっているみたいな。

これってまさに「あらゆる違いを越えて、共通の鼓動を奏でる」瞬間だと思うんです。

違いはあるけど、それを削って合わせていくのではなく、それをそれぞれの良さとして活かしていきながら、時には折り合いもつけながら1つのゴールに向かっていく。「共通の鼓動を奏でる」って「みんな同じ気持ちで、仲良く」と思われがちだけど、僕は「合わない人がいたとしても、目指す先に向かって上手くやっていく」ことだと思うんです。それが文化祭ではたくさん起きていると。

コモンビートもまさにそれぞれの良さを活かしながら(ステージ上には100人分のストーリがあります)、時には折り合いもつけながら(練習では「健全な衝突」が日常茶飯事です笑)、1つのゴールに向かっていく(公演を成功させることに向けてやっていきます)というのが、コモンビートのミュージカルになっています。

え、でもそれなら文化祭をやれば良くない?と思ったあなた、良いですねー。

じゃあなぜ文化祭じゃなくてミュージカルなのかというと、表現活動が持つ「正解の無さ」と「身体性」、エンタメが持つ「心が動く」という特性が更にこの問いに近づくからだと思っています。

まずミュージカルの中に組み込まれる歌・ダンス・演技などは、ある程度の形はあったとしても、「こうでなければならない」という正解は存在しません。だからこそ、声や動き・リアクションの特徴はそれぞれ「不正解(ネガティブな違い)」ではなく「個性(ポジティブな違い)」と捉えられるようになっていきます。その空間だからこそ、「違いも面白いよね、どうやって活かしていこう」と考えやすくなるということです。そしてこれらの違いを、ただ発言などの言葉で受け取るだけでなく、一緒に歌う・踊る・演じるなどの身体を通して受け取るからこそ、心だけじゃなくて身体を通して違いを楽しむことができるのです。

そしてそれに加えて、エンタメの力がミュージカルにはあります。思わず引き込まれる音や煌びやかな照明、色鮮やかな衣装などが、出演している人もお客さんもワクワクさせ、感動の渦に巻き込んでいく。この非日常感や圧倒的な感動体験は、まさにエンタメが持つ力だと思います。その中で大きく心が動いたという共有体験を通して、プログラムでもミュージカルのストーリーでも違いを乗り越えることができた人々を想うと、この大きな問いの答えに近づいていることが想像できませんか?

そんな「大人の文化祭」を超えるコモンビートのミュージカルに、僕自身も8年ぶりに出演することを決めました!みんなの熱量を感じながら一緒に汗を流す。オンライン社会では味わうことのできなかった身体性を、しみじみ感じている毎日です。「自分に足りてなかったものだー!満たされるー!」という感覚が身体中から溢れ出しています。

この感覚を皆さんとも共有したいです!
ピンと来た方は、ぜひぜひ現地まで足を運んで、この感動体験を共につくっていければと思っています。

それでは、会場でお待ちしておりますー!(再開記念シリーズ 関東公演)