学生インターンシッププログラム Vol.8 自分が何者なのかを知る旅へ | NPO法人コモンビート
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学生インターンシッププログラム Vol.8 自分が何者なのかを知る旅へ

コモンビートでインターンシッププログラムの運営を担当した、中林信人(のぶを)です。5月からの約4ヶ月間、4名の大学生に伴走してきました。今回は、先日プログラムを卒業したインターン生の変化について振り返りたいと思います。

インターン生と過ごす中で、私は度々、学生時代の自分をこの4人に重ね合わあせていることに気が付きました。壁にぶつかったり、自信を失ったり…私が大学生のころに体験した、不安な日々を思い出しました。自分のことを振り返りつつ思ったのは、「多くの人にとって、二十歳前後は、将来どうなりたいのかを迷う時期なのではないか」ということです。

コモンビートのインターンシップでは、自身が感じていることや考えていることを常に尋ねられます。「どう感じる?」「どうすればいいと思う?」といった具合に。これには、インターンのみんなは「自分は何か仕事をしに来たはずなのに、どうしてこんなに発言させられるんだろう?」と戸惑っていたのではないでしょうか。

インターン生たちは、初めは「うまく意見が言えない」「自信がない」と言っていました。「自分なんかが言って良いのだろうか?」という遠慮の空気を、彼らから感じました。どう振る舞っていいかが、わからなかったようです。

しかし、私のようなコモンビートのスタッフや、社会人のメンター(※インターンの相談に乗るなど、学生とペアになり伴走するメンバー)との会話を重ねるにつれて、インターン生それぞれがどういう人で何を考えているのかが、少しずつあらわれてきました。

あるインターン生が、ふとしたときにアイデアを提案してくれました。そのアイデアが意外性に溢れていたので、「これは面白そうだ」と思い、「Jump in 週末留学」のプログラム運営の現場で採用しました。また、進路について悩んでいたあるインターン生は、「こんなにも色んな生き方をしている人がいるのだから、私は私のやりたいことをやる」と堂々と言って周りの社会人を唸らせました。みんな、実際には個性に溢れた人たちだったのです。

おそらく4人は、以前は「自分という人間は大したことがない、社会で通用するようなものはまだ持ち合わせていない」と考えていたのではないかと思います。それが、自信のなさや遠慮のような状態を引き起こしていたのではないでしょうか。確かに、知識や技術はこれから得ていくものですから、まだできないことは多いかもしれません。ですが、自分が考えていることや感じていることを否定する必要なんて、全然ないのです。

4人はきっと、インターンシップを通して「どういう人であるべきか」ということではなく、「どういう人になりたいか」というところを意識できるようになったのでしょう。他ならぬそのことこそが、社会でたくましく生きていくために必要なことだと私は思っています。インターンの4人が自分が何者なのかを知る旅は、まだ始まったばかりです。


卒業発表の様子。インターン生は、4ヶ月間で学んだことを発表しました。

卒業式では、社会人メンターやコモンビートのスタッフと
一緒に4ヶ月を振り返りました。