「今度、僕の友達が主役をやることになったみたいです」
ミュージカルに来てくれたある友人が、嬉しそうにそう話をしました。
これはたぶん、何かの歌のソロのことなのだろう・・・・。
キャスト自身は主役という言葉は使わないので、彼がそう解釈したのでしょう。
コモンビートのミュージカルは、100人が主役の舞台。
ミュージカルのストーリーも、誰か主人公がいてその人が展開するようなストーリーでもありません。
一度見た人ならその意味もわかるはずなのだが、これがなかなか伝わりにくい。
100人が主役という言葉だけ聞けば、入れ替わり立ち代わり100人が主人公を担うように想像してしまうのも無理もありません。
たとえば、ソロを歌う人も伴奏やコーラスがあるから成り立つわけで、その人だけが存在していても場面そのものが成り立たたないのです。
すべての主役が揃ってこそ場面が完成し、それぞれの意志が魅力的な見せ場を創り上げていくからこそ100人の舞台が完成する。
それがコモンビートの舞台なのです。
これはミュージカルだけでなく、普段の生活でも同じなのかもしれません。
会社にいても家庭にいても、その人なりの「役」があります。
生まれてきただけで誰かの「子ども」という役があり、「友人」「同僚」「親」という役があり。。。
その場その場でその役を演じています。
その瞬間で自分が見せ場を作り、魅力的に演じていくことは舞台と何も変わりません。
その場面の1つ1つを魅力的にしていくことで、人との信頼関係ができたり、リーダーシップを感じてその人について行こうと思うような関係も生まれるのでしょう。
「演じるというのが偽りの自分を作っている」と思ってしまう人がいるかもしれません。
少なくとも僕もそう思っていた時期がありました。
もちろん、全く違う自分を演じていると・・・ボロが出るし疲れるし、いいことはありません。
自分を偽る必要はありませんが、理想の自分を演じることは悪いことではありません。
人生の主役は自分です。
スポットライトを浴びたいだけなら、目立ちたがり屋か寂しがり屋でしょう。
どんな場面でも輝ける人
コモンビートは、そんな人が生まれるプログラムでありたいと思っています。