この100日間、本番の舞台、本当に楽しかった。
100日間でたくさんの人から、いろんな刺激を受けた。これからの自分に繋がることをたくさん学んだ。
その中でも、自分にとって一番の財産になったのが、
「みんなのために、何かしたい」
と見返りなく考えられるようになったことだと思う。
でも、その過程にはいろんな不安や葛藤があった。
家庭のことや仕事のこともあったけれど、一番の不安は、体調のことだった。
キャスト申し込みをした後に、医者からメニエール症候群という三半規管の病気を診断された。
慢性的な目眩に悩まされ、時には立っていられないほどひどい症状に悩まされた。
この病気の治療のこともあって、
疲労やストレスになることは控える、
ダンス練習は少なめにする、
忙しい中でも睡眠時間は削らない、
暑さ対策をしっかりする、
お酒を飲まない、
など、行動面でいろんな制約があった。
いつ治るとも分からないこの病気、いずれ周囲のメンバーの足をひっぱることになるのではという不安から、始めの30日くらいまでは真剣にキャストを辞退することを考えていた。
でも、同じ青大陸のメンバーが本当にいい人ばかりで…、というかいい人しかいなくて、みんなのことを知れば知るほどどんどん好きになっていった。
時には相手の言動に戸惑うこともあったけれど、その人の思い、置かれている立場や環境を考えると、それすらもいとおしかった。
青大陸のみんなと、絶対に一緒の舞台に立ちたい思いからか、病気は回復と悪化を繰り返しながらも、少しずつ快方へむかった。
100日も後半になると、本番を迎える上でのいろんな課題が見えてきて、それについて悩んでいるメンバーもたくさん見た。
「みんなのために、何かしたい」
という思いが、自然と湧いた。
これは、これまでの自己中心的で、家族やごく親しい友人を除いて周囲の人がどういう状況でも省みることがほとんどなかった自分にとっては、本当に大きな大きな変化だったと思う。
でも、当時の私の体調では時間的にも行動量的にも大したことはできないのは、
理解していた。
でもだからこそ、さほど時間をかけず、限られたメンバーで実行できて、かつ影響度が高い取り組みを先駆けて実行するにはどうしたらいいのかを、考え抜くことが出来たのかもしれない。
「スタッフでもない私が前に出ようとすることで、スタッフのみんながやりにくくなるのではないか。」
「こんな企画を考えても、誰も参加しないんじゃないか。」
「私一人で突っ走っていて、みんなはついてきていないのではないか。」
一歩踏み出すのは、いつだって不安だった。
だけど、みんなのことをよく知って、「みんなのために」という思いで取り組めている限りは、きっと大きく道を違えることはない、
もしあったとしても思いに賛同してくれる仲間がそばにいてくれると、信じることができたと思う。
青大陸のみんな、100人のみんなへ。
私にたくさんの勇気をくれて、本当にありがとうございました。
33期青大陸 佐藤ひろみ(ぴろみ)