さんぽこのぽこっと言わせて! UWP編〜天秤、金魚鉢、ラスベガスが教えてくれたことの巻〜 | NPO法人コモンビート
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さんぽこのぽこっと言わせて! UWP編〜天秤、金魚鉢、ラスベガスが教えてくれたことの巻〜

あなたの目の前に一匹の蝶が飛んでいます。
その蝶を殺したら、どこに行こうが何をしようが全額支払ってもらえる、一週間の休暇が手に入ります。

あなたは、蝶を殺しますか?

その蝶を殺したら世界平和が訪れます。

あなたは、蝶を殺しますか?

蝶ではなく馬だったら?
人間だったら?

犠牲になるのが、自分だったら?

こんにちは。
デンバーよりさんぽこ(新井三保子)です。

昨日1/20(月)は、Martin Luther King, Jr. Day、マーティン•ルーサー•キングデーでした!

私達UWPメンバー全員で、「マ」ーティン•ルーサー•キングのパ「レード」、通称「マレード」に参加してきました!

キング牧師のかの有名な“I have a dream”演説は、多くの人が知っていると思います。

マレード前日、ベッドで横になりながら演説の英文を読んでいましたが、気付いたら朝でした。キング牧師、ごめんなさい。

マレードの行進に向けて、各々が主張したいメッセージをボードに書き、約2時間道をひたすら歩き続けました!

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私達以外にも本当にたくさんの人達がこのマレードに参加し、様々なメッセージを発信していました。

ちなみに、このボードは私が作りました♪日本語アピール!!

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その後昼食を食べて、近くのコミュニティーセンターへ移動。

数日後の課外活動に向けてアクティビティーをしたり、場作りの練習をしました。

そこでやったアクティビティーの一つ、“Take a stand”。

コモンビートのプログラムで経験したことのあるキャストが多いのではないでしょうか。

ある質問に対して、二択の答えが提示されます。

どちらか一方の答えを選んで移動し、何故その答えを選んだかの理由を発表するというものです。

目の不自由と耳の不自由、どちらが大変だと思うか、

25年後の世界は良くなっていると思うか、

あなた個人の行動が、世の中を良くすることに貢献すると思うか、

そして冒頭の問い等、

なかなか選ぶのが難しくグレーゾーンになりがちな質問を、敢えて白黒はっきりつけてみるというところに、このアクティビティーの価値があると思いました。

蝶や馬、人間の命と、休暇や世界平和を天秤にかける問いでは、

私はYES(=命を犠牲にして休暇や世界平和を手に入れる)の立場を取ることが出来ませんでした。

私は、自分の「正義感」をベースにこの問いについて考えていました。

命を奪うという倫理に反してまで休暇を得たいと思わないし、

一匹の蝶の命が守られてることは世界平和に包含されるのではないか?

しかし、YESの立場を取ったキャストの意見もうなづけました。

「私達は食べる為、つまり生きる為に動物から命をもらっている。私達の命が守られるであろう平和を手に入れるなら、犠牲は仕方ないのではないか」。

現実的なことを考えれば、蝶一匹を犠牲にして、何十億人が安心して暮らせる世界平和を手に入れられるのなら、その蝶の命はすぐに奪われるに違いありません。

ただ、私がYESの立場を取れなかったのは、命と世界平和を天秤にかけるということがおかしいと感じたから、

そして、もし私がその蝶だったら、世界平和の為に命を捧げられるか?と考えた時に、そんな覚悟はないと思ったからです。

その覚悟がないのに他の命を犠牲にしてもいい、というのは無責任な発言だと感じました。

みなさんなら、どちらの立場を選ぶでしょうか。

そして、1/21(月)の午前中は、メディアの“Fish bowl(金魚鉢)”について考える時間でした。

情報化社会の発展に伴い、様々な方法で私達のプライバシーが露出されてしまう可能性がある今日。

そんな環境を、透明でどの角度からでも見える金魚鉢に例えたものだそうです。

メディア•リテラシーやメディア露出の際の注意事項、取材に備えてしっかり団体のことやショーの詳細について頭に入れておくことが必要だ、というメッセージを伝えられました。

その後は、新しいダンスの練習や復習タイム。

毎日新しいことを覚える為に頭を使い、
英語のコミュニケーションに集中力を注ぎ、
何よりハードに動くので、UWPが用意してくれる昼食も、ホストファミリーが用意してくれる夕食も、本当に本当に楽しみ!!

こっちに来て、健康的かつとても規則正しい生活を送れるようになりました♪(笑)

その後は、初キャスト約50人だけが練習施設内にあるステージに呼ばれました。

なんとここは…

ラスベガスのカジノ!!!!
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…ではなさそう。(笑)

カジノっぽい照明、
ちゃんとしたバンドのセッティング、
綺麗な格好をしているスタッフ。

雰囲気作りの徹底ぶりに感動しました。スタッフ、凄い。

8つのテーブルに分かれて座り、トランプとチップ、そしてゲームの説明書いてある紙が配布され、チーム内でルールを共有します。

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ちょっと難しかったけど、そのチーム内で何度かやるうちに把握出来て一安心…

一定時間経つと、チーム内から2または4人、他のテーブルに移動していきます。

面白いのは、このゲームは全て「無言」でやるということ!

何度かメンバーの行き来があった後、「ん?」という現象が。

ゲームのルールが通じず、「それ違うでしょ!」というジェスチャーや表情をするキャスト、

混乱して、明らかに頭の上に?が浮かびつつもそのままゲームに参加するキャスト、

しっかり自己主張して、自分の知ってるルールを通そうとするキャスト、

違うルールだと気付きつつ、そのテーブルのルールに適応しようとするキャスト。

ちなみに私は、ルールが違うことに気付いた瞬間、これは強く主張したもん勝ちだ!と思い、

自分のルールをジェスチャーで主張し続けました。

ルールがはっきりせずもやもやしたまま時間を過ごすのが嫌だったから、

適応ではなく、自分の心地良い環境を作ろうとする態度を取りました。

何よりゲームに勝ちたかったし。(笑)

ルールを制するものがそれぞれのテーブルでのゲームを制する。

ゲームの場合は、それでもいいかもしれません。

しかし、最初に知ったルールが「文化」で、そのテーブルが「国」だったら?

いろんな「文化」を持った人間が「国」で争った時、

強く主張出来る者が一番の権利を得て、周りはそれに着いていかざるを得ないという状態は、決して良いものではありません。

自分が知らない他のルール=文化を持った人達に会った時に、自分がどういう態度を取るか?という「他文化への適応」についての気付きがたくさんありました!

また、文化の話と同時に、

ルールを知らないと、流されるままにゲームに参加することになることの怖さも感じました。

それは、社会を生きていく上でも同じで、非常に怖いこと。

この世界は、全てが善意の上に成り立っている訳ではなく、

誰かの強い権力や主張の下、彼らの利益を生む為のルールが少なからず存在している。

無知な国民は、他の誰かにとって都合の良い社会のルールに流されるだけ。

私もその一人かもしれない。

そう気付いた時、もっと社会のルールを勉強しなくちゃと強く思いました。

ルールに従っていれば安心、と思考を止めてはいけなくて、

そのルールは安心なのかどうかを勉強して、時には反対の声を上げる勇気が必要。

文化と社会への適応の意識の持ち方について考えさせられる、非常に意義のある時間でした。

明日もいっぱい動いて、いっぱい学んで、いっぱい感じる良い日にしたいと思います!

長々と書いてしまいましたが、お読みいただきありがとうございました!