こんにちは、2012年もざいくプログラムスタッフの内山和美(うっちー)です。
7月28日(土)~29日(日)に開催された、もざいく体感ツアー第3弾について報告します!
今回は、新たなパートナー地域の魅力を体感するもざいく体感ツアーとして、
福島県南相馬市で、 「国指定重要無形民俗文化財 相馬野馬追(そうまのまおい)」の『お行列』に参加しました。
相馬野馬追とは、毎年7月の下旬に行われる旧相馬藩の伝統的な行事です。
起源は1060年以上前に遡り、平将門が下総国で行った軍事訓練がその源だと言われています。
しかし、 昨年の東日本大震災の影響で馬や衣装は流され、原発により住民が戻れない状況の中、昨年2011年は相馬市のみで行い南相馬市は参加できず、縮小しての開催となりました。
2012年は従来の参加規模に少しでも近づけようと、南相馬市での開催が決まり、コモンビートもお手伝いをすることになったのです。
集合は、7月27日(金)の夜22時。福島駅近くのホテルに集合し、今回ボランティアを取りまとめている一般財団法人OCAから明日の予定について説明を受けました。
タイから来たボランティアの方、OCAの方と一緒の参加です。
今回参加させていただいた小高(おだか)神社では外国人や女性が行列に参加するのは、今年が初めてということでした。
1000年以上も前からの伝統に新しい歴史を刻むことになるとのことで、とても興奮しました!
28日(土)の朝、最初に訪れたのは、相馬市の中村神社。
太く背の高い木々が生い茂り、大きな鳥居があり、とても神聖な場所のように感じました。ここで、私たちは、『出陣』を見学しました。
「今は戦国時代?」と目を疑うような光景が目の前にありました。甲冑をつけた武士たちが祝杯をあげ、大将の出陣命令とともに、螺役がホラ貝を吹き、いざ出陣。
大将を筆頭に馬に乗った騎士たちが一騎ずつ出陣します。とても緊迫した空気の中、一騎ずつ出陣する姿を見て、息を飲みました。
その後、私たちが行列に参加する小高神社へ。中村神社もそうでしたが、やはり、馬が大切に扱われている地域であると感じました。
馬をモチーフにしたお守り、像などがあり、馬と共に歴史が作られてきたことが分かりました。
小高神社がある地区は、警戒地区になっていたため、人が住んでいませんでした。
神社では、翌日の行列の衣装と持つもの(旗や弓矢や鉄砲など)、行列の並び方の確認をしました。
夕方は、OCA主催のパーティが行われました。タイの方々と一緒に円卓を囲み交流したり、歌の交換を行いました。
こちらからは、坂井さん(くに)が「こころの道」を歌いました。綺麗なメロディにうっとりするタイの人たちとも心の道が出来たように感じます。
明日に向けての英気を養いました。
29日(日)の早朝、行列のスタートとなる旭日公園に向かっている途中、なんと馬が道路に!
行列に向かう甲冑を来た騎馬武者たちが、馬に乗って公道を走っています。道路で、馬と並走する場面に出くわすとは思いもしませんでした。
また、この祭りに参加している騎馬武者の方々は、自分の馬に乗っているそうです。馬と過ごす生活は一体どんなものだろう、普段はどこで馬に乗っているのだろう、
甲冑は昔から伝わっているものなのか、などたくさんの疑問が頭に浮かびました。そうこうしているうちに、公園に到着。
各自、服装・持ち物のチェックを行い、いざ、『お行列』へ!1時間ほど練り歩き、原町陸上競技場へ向かいます。
とても暑い中、人によっては重いものを持つので、思ったよりもハードでした。
しかし、見学に来ている人にとっては、私たちは伝統ある祭りの担い手の一人として見られているので、堂々とした態度で一歩一歩を踏みしめました。
「暑いでしょ。がんばれ~!」という沿道の優しい声に励まされ、全員、最後まで歩くことが出来ました。
無事に競技場へ着いた後は、休憩をし、『甲冑競馬』『神旗争奪戦』の見学をしました。『甲冑競馬』は、その名の通り、甲冑をつけた騎士たちが人馬一体と
なりながら、1000メートルを走りぬけるというものです。『神旗争奪戦』は、高く打ち上げられた花火と共にご神旗が舞い降り、それを騎馬武者たちが奪い合うというものです。
両行事とも、とても迫力があり、まるで戦国時代にタイムスリップしたかのような感覚がしました。
日本にこんな素晴らしい伝統が残っており、今でも受け継がれていることに驚き、また誇りを感じました。
最後、小高神社に戻って、神社の方からこんなお話を頂きました。
「みなさんのおかげで、うちの行列だけみすぼらしくならなくてすみました。ありがとう。」
震災以降、行列に参加できる人がいない中、立派に『お行列』に参加することができたとのこと。
しかし、この伝統ある小高神社が、初めての外国人・女性を受け入れ、行列に参加させてくれたこと、それは並大抵の
覚悟ではなかったはずです。歴史を変えてでも、この祭りを受け継ぎたい。その強い想いを感じました。
こちらこそ、歴史ある伝統の祭りに参加させていただき、ありがとうございます。
今回のツアーでは、「日本の伝統の素晴らしさ」や「伝統を受け継ぐ人々の熱い想い」を感じました。
私ももっとたくさんの伝統を知り、後世に受け継いでいきたいと思います。
もざいくツアーは奥が深いです。