自分のデスクからみえるところに、このような紙を貼っています。
「It’s okay to be a different color.」
この絵は絵本作家・イラストレーターの Todd Parr (トッド・パール) さんが描いたもので、勝手ながら自分が目指す世界観のイメージと合致するものがあり、日々の活動の中で忘れたくない想いだと思って、見えるところに飾ったのです。コモンビートのミュージカルで描かれている「違うからこそ美しい」というものがわかりやすく伝わってくる絵だなと思っています。
コモンビートの目的は「表現活動によって、自分らしく・たくましく生きる個人を増やし、多様な価値観を認めあえる社会の実現を目指す」というものです。多様な価値観を認めあえる社会をつくるために、「自分らしく・たくましく生きる個人を増やしたい」と思っています。つまり、コモンビートの活動は「自分らしく・たくましく生きる個人を増やす」というところに力点が行われているわけです。自分らしさを発揮するには、コモンビートは「表現活動」を方法にしようと考えていて、それがミュージカルにつながっていくわけです。
100人100日ミュージカルといって、「100人」に印象が行きがちですが、100人のまとまりを見て欲しいのではなく、ひとりひとりの個性が100個集まった状態を見て欲しいと願っています。ミュージカルに参加したキャストの感想の中には、「成長できました!」とか「自分変りました!」という変化を書いたものもあるのですが、それ以上に「私は私のままでいいのだと思った」とか「今の自分が好きになった」との声が多く聞かれます。これは、表現活動で自分を周りに表し続けた結果、自分らしく・たくましく生きることに気づいた結果なのではないかと思っています。
子どもの自己肯定感の低さが問題になっていますが、大人にとってもその低さは深刻だと思います。自分を肯定できなければ、他人も子どもも肯定してあげることはできないのではないでしょうか。まずは大人自身が自分を再認識すること、自分を再発見することが必要になってきます。少し時間をとって(ミュージカルなら100日間)、自分をみつめる機会をつくることで、自分に自信を持ち、自分の頭で考え、自分の判断にもとづいて行動することができるようになることが大切です。
完璧な人間なんていません。正解なんてありません。だからこそ、暗中模索しながら自分と向き合い生きていくことが必要ですし、そのような機会の提供が今社会に求められているのではないかと思います。
りょう