家族をアップデートする “See the difference〜次世代議員と考えるパートナーシップ制度と「家族のかたち」〜開催レポート(前編) | NPO法人コモンビート
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家族をアップデートする “See the difference〜次世代議員と考えるパートナーシップ制度と「家族のかたち」〜開催レポート(前編)

4月6日(水)、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をテーマに、違いを知り、違いと出会い、違いとつながっていくための「See the difference」の第12回が開催されました!

今回のゲストは、東北の陸前高田市議の木村聡さんと盛岡市議の加藤麻衣さん。まずは、それぞれの自己紹介からスタート!

画面左に映っているのが木村さん、右側が加藤さんです。

学生時代から東日本大震災後の陸前高田にNPOとして携わり、そうではない立場で地域に関わりたいと思ったところ、ちょうど市議会選挙があった、という木村さん。一方、「生き甲斐のある世界を創る」というミッションを掲げ、LGBTQ当事者として苦しんだ自分のような人の力になりたいという想いもあって、市議になったという加藤さん。

「20代で議員になるなんて自分しかいないと思っていたら、まさか同世代が盛岡で当選したと聞いて。」そのニュースを知った木村さんが連絡をとったところから、お二人の交友は始まったそうです。

なぜ「パートナーシップ制度」なの?

自己紹介後はさっそく本題へ!タイトルにもあるこの「パートナーシップ制度」とは?同性婚とはどう違うの?そんな問いに、加藤さんからご説明をいただきました。

現在、世界31カ国に同性婚、または同性婚に値する制度がありますが、日本の法律下では、認められていません。時間がかかってしまう国の法改正を待たずに、まずは地方で進めていこうということで、各自治体ごとに設けられているのが「パートナーシップ制度」です。その数は、4月6日現在、全国の208の自治体まで増えてきました。

この4月にちょうど200を越えたということです

同性婚を可能にする法制度化は世界の潮流にはなってきていますが、ではなぜ、日本では認められないのでしょうか。明治期以降の家父長制度、ジェンダー規範、同調圧力、労働生産人口の関係など、様々な背景が複雑に絡み合った世論や法制度を一気に変えることは、痛みを伴うし難しい。それでも、徐々にでも変えていきたい、と加藤さんはおっしゃいます。
「LGBTQは、自死率が高いんです。同性婚が認められるということは、LGBTQの自分でも、この国で生きていけるんだ、生きていていいんだ、というメッセージにもなる。子どもたちが幸せに生きる未来を描きやすくしたいんです。」

当事者だから…当事者じゃなくても…

ご自身の経験から、市議としての活動の前提にLGBTQの権利を見据えていた加藤さん。対して、木村さんは、この話を初めて聞いた時には、ピンときていたわけではなかったと言います。でも、加藤さんと会ってお話したあとに「これって加藤さんだけの話なのかな?」とふと立ち返ったそうです。自分のセクシャリティも今後変わるかもしれない。友人にLGBTQの人もいる。自分の子供の性的指向だってわからない…。そう思うと、今この瞬間に当事者ではない自分にだって、意見はある。自分の立場でも言いたいことがある、そう思うようになったと言います。

「当事者じゃないくせに。」「どうせ当事者じゃないからわからないでしょ。」これは、LGBTQの話だけではなく、あらゆる社会問題において、当事者以外が声を挙げた際の周りからの反応としてよく見受けられます。そんな社会の風潮に対して、「当事者であろうとなかろうと、相手の痛みに寄り添っていく、という姿勢があればいいのではないか。痛みの種類は違っても、人はそれぞれがいろんな痛みを抱えている。そこへ共感し、心を寄せられるかが大事なのではないか。」という加藤さんのお言葉には、参加者の方にも深く響いたようでした。

関西地域の議員さんからなんとカンボジアから参加される方まで、様々な参加者の方と対話が展開された今回のイベント。続きは、レポート後編にて!