NPO法人コモンビートが、この夏から新しく始めた「多世代共創型パフォーマンスプロジェクト」。世代を越えて一緒に踊り、つながり、ひとつの舞台を創り上げるプロジェクトです。
第一弾のテーマは、“よさこい”。
挑戦するのは、大学生と小学生、そしてコモンビートのミュージカルプログラムを経験したことのある大人たち。立場も年齢も違う人たちが、それぞれの想いを持ち寄りながら、一つの表現に向かって手を取り合っていきます。
最終的な目標は、「観客の前で、心をひとつにしたパフォーマンスを披露すること。」でも目指しているのは、ただ「上手に踊る」だけではありません。
世代を越えて、一緒に表現を楽しむこと。
心を通わせながら、誰かと“何か”をつくっていくこと。
そのプロセスに、このプロジェクトの大切な意味が込められています。
“踊る”だけじゃない。“届ける”ことに向き合う1日。

この日のテーマは、「パフォーマーとして踊りを磨くのはもちろん、子どもたちに、どう楽しく・安全に・魅力的に“よさこい”を届けるか?」。
研修は、ただ振付を覚えるだけではなく、午前中は、まずはとにかく自分自身がパフォーマーとして踊りきる時間。子どもたちに背中を見せられる存在として、自分自身のダンススキル・表現力に向き合いながら練習を重ねました。
そして、午後からは “教える側”としての視点に立って、子どもたちと向き合うシーンを想定しながら、「どう伝えるか?」「どうしたら場があたたかくなるか?」を考えていきました。
伝え方、言葉の選び方、立ち位置、声のトーン——どれも、踊るだけでは見えなかった世界。
「踊る人」から「届ける人」へ。
立場の変化とともに見えてくる景色が、大学生の表情も真剣そのものでした。
身体と心で体感した、3つのチャレンジ

①「鏡」での指導練習
子どもたちの様子を見ながら、正面から丁寧に関われるように、自分の動きを左右逆にして伝える“鏡”での振り付けに挑戦。 言葉で言うのは簡単ですが、実際にやってみると、身体も脳も混乱の連続!「えっ、今どっち出した…?」という声が飛び交いながらも、少しずつ“伝える身体”になっていく。「伝えるってこういうことか!」という発見があちこちで起きていました。
② 大学生が前に立つ“フロント体験”
この日は大学生自身が前に立って踊りを伝えることにチャレンジ。
大勢の視線を受けながら、 緊張しながらも、言葉を選び、タイミングを見て、仲間に伝える。懸命に前に立ち、自分の想いを伝える姿がとても印象的でした。
③ その先に本番があるという、リアルな空気
実はこの翌週が、子どもたちに教える“本番”の日。
だからこそ、会場には緊張感もあり、“本気の空気”が流れていました。
でもそこにはちゃんと笑顔もあり、 “真剣だけど楽しんでいる” 、そんな空気が広がっていました。
大学生からは、
「めちゃくちゃ緊張したけど、それ以上に楽しかった!」
「自分が “誰かに届ける人” になるってこういうことなんだ…と感じた」
「教育の現場でも活かせる体験だと思いました!」
という声が。

「よさこい」は、ただ踊って終わり、ではありません。「パフォーマー」から、小学生たちに踊りを「届ける人」へ。一歩ずつ歩みを進めています。
表現すること、届けること、場をつくること。
そのすべてが実践の中にあるからこそ、未来の先生や、これからの社会をつくっていく人たちにとって、かけがえのない学びの時間になるのだと思います。
これからどんな場が生まれ、どんな笑顔がつながっていくのか。
いよいよ次の週からは子どもたちに教えていきます。
ぜひ、続報をお待ちください。
