9/27(火):第2回 マナクル座談会(医療・介護編) | NPO法人コモンビート
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9/27(火):第2回 マナクル座談会(医療・介護編)

title110927.jpgみなさん、こんにちは♪ブロガーとしては初登場、中部スタッフの高遠美樹(みにぃ)です。
8月に初の試みとして開催したマナクル座談会(教師・教育編)。
その第2弾として、今回は医療・介護編が名古屋のSOHOプラザで行われました。
知っているようで知らない医療・介護の職種や仕事内容に加え、
実際に現場で働いている方々の想いなどがぎっしり詰まった2時間半をお伝えします。


浅野弘子(ひろぴー)さんの挨拶で幕開け後、
参加した医療・介護従事者の6人の紹介が行われました。
各自、紹介したのは名前だけ。
職種が分からない…
そう、ここでは教えないのです(笑)
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次は参加者全員で「知っている施設を挙げよう!!」というアイスブレイク。
医療・介護従事者が働く施設を、どんどん挙げてもらい、
それをホワイトボードに貼り付けていきました。
分野は大きく、「医療」「介護」「福祉」に分かれます。
施設1つ取っても、1分野にしか当てはまらない場所もあれば、
2つまたは全ての分野に当てはまる場所もあり・・・
とにかく幅広いんです、この世界。
なので、参加者が挙げた施設がどの分野に属すのか、
この世界で働く人達ですら混乱することもしばしば。
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予め、出そうな答えは予測してカードを準備していました。
・病院
・グループホーム
・児童養護施設
・訪問看護ステーション
・保健所 etc・・・
しかし、出るとは予想できなかった答えもあります。
・ホスピス(緩和ケアの専門病院)
・盲導犬←施設ではありませんが、気になった人が挙げてくれました。
・鍼灸院
・社会福祉協議会 etc・・・
みんな、よく知っていますね。
そして、答えは出なかったこんな施設を紹介。
・地域包括支援センター
・障害者訓練所、作業所
・歯科診療所 etc・・・
そうだ、馴染みのある歯医者さんが出なかった・・・!!
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施設を挙げ終わった後は、そこで働く人達の職種を挙げていきました。
これがまた奥が深い。
「看護師」においては、病院のみならずいろんな施設にいるんですね。
そして、臨床工学技師、臨床検査技師、診療放射線技師などなど・・・
職種は挙げ出したらキリがない!!
意外に出てこなかった「栄養士」は、全分野に関わっていて、一同「あ~」と納得。
さぁ、ある程度出揃ったところで、今日参加してくれた6人の職種紹介。
ジャジャン♪
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浅野妃美子(きみぞう)さん:看護師
内藤小百合(ピノ)さん:作業療法士
河田幸代(うっきー)さん:保健師
大島有加里(おかん)さん:社会福祉士
渡辺淳平(ぺーたん)さん:生活支援員
堀田瑛子(えーちゃん)さん:グループホームで生活(介護福祉士資格所有)
マナクルスタッフの河部綾乃(BASE)さんが、
6人の似顔絵カードを作成してくれて各々にプレゼント。げ、激似・・・!!
そのカードをホワイトボードの該当箇所に貼り付けてもらったのですが、
あまりの絵の上手さに一同感動。なかなか貼ってくれませんでした(笑)
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普段の仕事内容や過去の仕事内容を話してもらい、ここから質疑応答タイム突入です。
・「看護師」と「看護士」の違いは?
・看護師の担当科はどうやって決めるの?
・痰(たん)の除去は一般の人も行っていいの?
・AEDは一般の人も使っていいの?
などなど・・・
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そういえば、同じ「かんごし」でも2種類の字を見かける気がする・・・と思った人は多いはず。
実は一昔前、男性を「看護士」、女性を「看護婦」と呼んでいたのだけれど、
どちらも「かんごし」と呼ぶようになり、字を「看護師」に改めたとのこと。
また、「師」は業務独占、「士」は名称独占を表すんだとか。
む、難しいぞ・・・
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「現場で働いていて矛盾を感じることはあるか?」の質問には、
皆、赤裸々に語ってくれて、あまりの内容に驚きが隠せませんでした。
法律や病院・施設の方針に従いながらの仕事には、
矛盾が付き物になっているのかもしれません。
精神病院で働いている内藤小百合(ピノ)さんは、
「精神で入院ってよっぽど重度の病気と思われがちですが、
病気や重さなんてあまり関係ないんです。幻聴や妄想があっても
上手くお付き合いして地域生活している人もたくさんいます。
怖いって思われがちだけど、みんな優しいんですよ」と、優しい表情で話してくれました。
障害者作業所で働く渡辺淳平(ぺーたん)さんは、
日常生活や作業の見通しを立てることが難しい人達の為に、
絵カードを用いてのスケジュール表を使った支援を行っているとのことで、
実際のものを見せてくれました。
「彼らは、視覚的に理解することには強いんですよ」
強みを活かす。介護のみならず、教育や他の場でも求められることなのではないでしょうか。
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ここで、話題が「障害児」に。
義務教育時代、同級生に障害のある児童・生徒がいた人もいるはず。
「クラスが別々だったから、コミュニケーションの取り方がわからなかった」
「学校ではコミュニケーション方法を教えてくれなかった」
という経験談が挙がれば、
現役教師の参加者からは、
授業は別々でも、障害のある児童も同じクラスメイトであること前提で掲示物を作り、
「いて当然」という意識を低学年時から持たせるようにしているとの話が。
誰しも、知らないものには恐怖感や抵抗感を抱くもの。
だったら幼い頃から知っておくべきなのでは・・・
なかなか答えの出ない問題なのだと思います。
最後に、「今の職に就いたキッカケ」「嬉しかったこと」「メッセージ」を
全員から聞くことができました。
進路を考えた中2の時に看護師不足が問題となっていて、
自分の進むべき道は看護師だと思った、浅野妃美子(きみぞう)さん。
「いつどこで病気になるか分からないから、検診はお金をかけてでも受けてほしい」 
高3で関わった障害のある人達が凄く純粋で、
この人達を支える仕事をしたいと思った、渡辺淳平(ぺーたん)さん。
「”障害のある○○さん”ではなく、”○○さん”として見てほしい」
利用者との会話がとても癒されるとのことで、
その話をしている最中は終始顔が緩みっ放しでした。
リハビリの仕事をしている兄の姿を見てやりたいと思った、内藤小百合(ピノ)さん。
「学生時代に、この仕事は人生にスポットライトを当てるのだと言われました。
病気を治すのも、障害とともに生きていくのも患者さん自身。
ただ、患者さんがその人らしく生きるため、【生きがい】というスポットライトを当てる
この仕事にとてもやりがいを感じた。」 
高校時代に精神保健福祉士にお世話になり、
「こうなりたい」という理想像に出会った、大島有加里(おかん)さん。
「利用者に合ったサービスに繋げられて、喜んでくれる姿を見るのが嬉しい」
小学生時代に入院していた祖父のお見舞いに行くと、
祖父母が看護師の話を嬉しそうにしているのを聞き、
看護師にジェラシーを感じながらも「凄いことをしているんだな」と思った、
河田幸代(うっきー)さん。
「家族や知り合いが見舞いに来た時の患者の表情が凄い変わる。
特に家族は患者にとって一番の元気の源。だから顔を見せに行ってあげてください。」
病を抱える祖母の世話が上手くできず、できるようになりたいと思った、
堀田瑛子(えーちゃん)さん。
「介護はマイナスのことばかりしか言われない。
でも、(今いる)グループホームの職員さんは本当に楽しそうに介護をしている。
だから、もっと知ってほしい」
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とても活き活きと語ってくれたその表情と言葉からは、
自身の仕事をとても誇りに思っているのだということが伝わってきました。
また、患者・利用者との思い出話をしている時の笑顔はとても輝いていて、
その笑顔に私達が癒される、そんな時間でもありました。
貴重な時間、本当にありがとうございました。
次回座談会も、乞うご期待!!