キャスト感想:ナカトピアから見えたもの | NPO法人コモンビート
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キャスト感想:ナカトピアから見えたもの

Sproject_0302_top.jpg.JPGこんにちは、ミュージカル「ナカトピア」でチャンボボ族(赤)の族長サイードを務めさせていただきました鈴木祐介(ズーキィ)です。
今回は、ナカトピアの自分の役と作品を演じてみての感想を述べさせていただきます。


そもそも、このチャンボボ族という民族は狩猟民族で「狩りが上手い人間が偉い」という完全実力主義の世界です。
その中で族長になったサイードのイメージとしては、
「狩りにおいては、やはり民族で一番であり気性が荒い面も多々見られるが、
一家の主であるため家族に対する愛、民族に対する愛などが深く、ただの暴君ではなく情熱的な面も持ち合わせている」
そういう設定で考えました。
シーンの中で自分の息子が死んでしまい、悲しみから一転、怒りくるって相手への報復に移るシーンがありました。
 ここは感情の移り変わりが「悲しみから怒り」と急であり、演じる方とすれば非常に難しかったのですが、サイードの性格からして自分の息子が殺されたとなれば復讐行為は当然の選択だったように思います。
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結果的に、誰もが望まない民族間の争いという結末になってしまい、サイード自身も手の付けようがない状況になってしまいます。
その元をたどれば親からの愛情を十分にもらえなかった息子が「認められたい」という一心から起こした行動がきっかけでした。
その「認められたい」という愛情を親がしっかりこどもに注いであげられなかったことが一番の根本にあると思います。
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現在の日本でもいじめや自殺などのニュースが後を絶えません。
これらの根本には「認められたい」という、子どもに限らず大人ですら誰もが持つ純粋な感情があるのではないでしょうか。
モノで満たされている現在社会において、モノだけではなく、愛情をどれだけ注いでいけるかがきっと今の大人に突きつけられている課題なのでしょう。
この作品の中で今回族長サイードという役を演じさせていただき、
改めて「当たり前の幸せ」とは何かを考えさせられました。
これから自分も家庭を築いたり、仕事をしていく中できっと「当たり前の幸せ」を見失うことがあると思います。
その時に今回の作品を思い出し立ち返ることができれば、今に感謝して、新しい一歩を踏み出していけると信じています。
最後になりましたが、
公演に足を運んでいただいた皆様、また全国より応援頂いた皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました!
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