黄大陸の芝琢也(たくや)です。
今、コモンビートのナンバーである、「かけがえのない仲間たち」を聞きながら、この記事を執筆しています。
10月13日、ようやく、長かったようで、あっという間だった、コモンビート 第26期関西100人100日プログラムが最終日を迎えます。

その様子を、レポートさせて頂きます。

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今、目を閉じた私の左手は、同じ黄色大陸の仲間の右手へとつながっています。
同じく、私の右手は、同じく黄色大陸の仲間の左手へ……

そっと、目を開けてみると、100人で作る大きな輪が、舞台を模した体育館のリノリウムの上へと広がっています。

10月13日(日)

最終練習です。

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眼の前に広がるのは、100日前は、顔と名前すら一致しなかった99人。
100日前、期待と不安、そして、「99人の赤の他人」からスタートしたこのプログラムは、本番を一週間後に控えた今日、期待と不安、そして「99人のかけがえのない仲間たち」へと進化しました。

こんなセンチメンタルな感情になること、100日前はどこまで予想できていたでしょうか。

わけもわからないまま参加した体験会。
テンションに圧倒された(正直、ちょっと引いた)先行キャストのパフォーマンス。
悩みぬいた参加申し込み。
エイヤ!とキャスト申し込みを決めた自分の勇気。
それを後押しした仲間の存在。

右も左も分からない、初顔合わせ合宿。

緊張のせいでほとんど覚えていないオーディションダンス。

ドキドキの配役発表。
希望が叶わなかった悔しさ、でもそれでも自分がやりたかった役をやるあいつを支えると決めた。
えぇ、そんな気持ちになれなかったこともありますよ、前半。

憎たらしいったらありゃしない。

でも、気づけば支えていた、だって支えられていたから。

ダンスに悩んだ日も歌に悩んだ日も、チケットに悩んだ日も、

プライベートとミュージカルの両立に悩んだ日も、

仕事で練習に行けないむず痒さに悩んだ時も、

いつだって心の中にみんながいたからこそ。

このように手をつないでこられたからこそ。

何十回練習したか分からない歌やダンスに、何百回踏んだかわからないダンスのステップ。

 

 

全通しは、いったい何回やっただろう?

「本番までどれくらいだっけ?」

 

という練習初期の非常に漠然とした問いかけは、プログラムの進行とともに、次第に現実味を帯びてきて、その数字も徐々に具体的になってきます。

 

あと練習半分で本番…

あと1ヶ月で本番…

あと2週間で本番…

あと10日で本番…

あと1週間で本番…

本番まで、あと6日…

『本番を入れても』、あと通しは5回…

みんなでこのシーンをやるのも…、あと5回…

そのうちの1回が、今回の最終の全通し。

これが終われば、残りはリハーサル1回。

残りの3回は?

もう本番です。

 

 

舞台装置もセットされ、衣装も完璧。

本番と何ら変わらない環境で全通しへと望みました。

出演するシーン、そして袖から応援するシーンの一つ一つに全力を注ぎます。

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喜怒哀楽と単純には分類も分析もできない感情が体育館を渦巻いた結果、多くのキャストが通し中にもかかわらず涙しているのが見受けられました。

そしてカーテンコール、アンコールを迎え、最後の衣装付き全通しを終えました。

 

緞帳の閉幕が告げられた瞬間、演出陣やサポーターの一切のコメントを待たずして、どこからか……、いや、あちらこちらから沸き上がる歓声。

汗と涙が飛び散る中で、舞台上を走り回っての、ハグやハイタッチの応酬。

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全通しが終わったあと、演出陣やサポーターからのコメントにより、一喜一憂することが多い私達ですが、この時ばかりは、今回ばかりは、自分たちの感情が何よりも先行してしまいます。

感動、満足、快哉、達成感、高揚感、自信、確信……

 

そうした感情が、何よりも先行して、出来栄えの絶対評価を下すだけなら、まるで第三者からの評を必要としません。
私自身、一人のキャストではありますが、なにかしら…なにかしら違うものを感じずにはいられませんでした。
演じている自分でもはっきりと分かるんです。

まるで違う!

あたかも、それまでの自分が本気を出していなかったかのような……
もちろん、そんなはずはありません。
毎回、全力を出しています、当然です。
毎回、本気で踊り、歌います、当然です。
毎回、アンコールでは満面の笑顔を作っています、当然で…………あれ?

 

そういえば先ほどの全通し、「笑顔でなきゃ」なんていう感情や意識、特になかった気がしました。

「全力で楽しむ」という心から無意識に打ち上がった感情の電撃が、「笑顔を作りなさい」などという命令が脳から下される前に、顔筋へと到達したのでしょう。

心ってのが人間の心臓へと存在するとするならば、それは脳からよりも遥かに距離が遠いのに、猛スピードで神経を這い上がり、顔筋へと到達したのです。

そんな私たちの自信が裏切られることもなく、多くのサポーターから好評のコメントをいただきました。

 

くしくも、わずか一週間前に、滋賀の合宿にも来ていただいたサポーターが多くいらっしゃいました。

そんなサポーターをして、「一週間で何があった?」「本当に一週間前と同じキャストなのか」と言わしめたのです。

毎回、サポーターからは、「ベストペッパー」というものが発表されます。

これは、毎回の練習において、サポーター一人ひとりに、最も輝いていた人「ベストペッパー」を決めていただくわけですが、今回、サポーターからの回答の中に「選べない」というコメントが目立ちました。

 

『みんなが目立っていてよかった!』と、敢えて一人を選出することを避けるという、ずるいコメントですが(笑)、これは言い換えれば、今回、ようやく、「個」のショーから「全」のショーへと進化したことの現れとも言えそうです。

 

これまでは全体の完成度が今ひとつであったため、そんな中で個々で技能が目立っていた「個人」が選ばれていましたが、
今となっては、「全体」が完成してしまったため、逆に「個」が目立つことが少なくなってしまったのではないかと…

 

これも、ひとつのショーが最高の境地へと達した象徴といえるのかもしれません。

 

経験キャストだからこそ言いましょう。
最後の通し練習、ここまで「最高」な状態で終わるのは珍しいです。

安藤悠一(あんどぅ)さんも言っていましたが、別に最後の通しだからといって、「甘め」なオブラートに包んだコメントを貰えるわけではありません。

過去に参加した中では、本番への期待を込めて、最後の全通し、つまり、次はもう本番…という状況ですら、敢えて、厳しめのコメントを頂き、一縷の不安を払拭しきれないまま、本番までの一週間を過ごしたことも、いくらでもあります。

それを考えると、今回、過去に比肩するものがないほど、嘘偽りなく「最高」の状態で通し稽古を終えることが出来ました。

 

そして、経験キャストだからさらに言います。

キャストの皆さんへ。

衣装もメイクも表情さえもボロボロの皆さんですが、それでもその心は大きな満足感に満たされていると思います。

それでも、それでも、一週間後、本番の舞台で、私達が感じる感動と、手にする達成感は、こんなものではありません!

 

 

そしてお客様を代表して今日という日のサポーターの皆様へ。

一部の方々には、通し中に涙していただいたようで、嬉しい限りです。
それでも、それでも、一週間後、本番の舞台で、私達が届ける感動と、手に入れていただく高揚感は、こんなものではありません!

 

 

以前のプロデューサーである神谷宗考(タイガー)さんが言っておりました。

「ショーとしてのクオリティと、チケットの売れ行きは比例する」と。

この後にチケットインフォメーションにて発表された現在のチケットの売れ行き状況ですが、どうやら関西では未曾有の領域である4000超えは達成しそうです。

個々、そして全体の技量というショーとしての完成度と、チケット、満席という舞台としての完成度。

 

 

どちらも、完成ではない。
ですが、ゴールはもう確実に見えています。
私たちは、もう、ぶれない。

 

決して歩みは止めない、決して本番の日を待ちはしない、こちらからそこへ歩いて向かっていく。

 

 

その私たちの歩み、進むべき指針が、今回の最終練習で確実に固められました。
鮮やかに彩られた4つの大陸の物語、、
そして、それを紡ぎだした、私達100人の人間の物語、
その架空と現実の2つのドラマが、来週、10月19日、20日にともに完結します。

 

どちらからも、ゆめゆめ、目を離すことなきよう。。。。

 

 

レポート:黄大陸 芝琢也(たくや)