舞台の表とウラから | NPO法人コモンビート
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舞台の表とウラから

column_makko.JPG第13期公演が終了して早一週間。
100日間をキャストとともに過ごし、本番では舞台を表とウラの両方からフルサポートしてくれた演出部の宮脇真貴子(まっこ)さんの声をお届けします。


◆公演を見て
荒波の絶えない中航海を続けて来た13期キャストでしたが、本番当日はいい波に恵まれ、キャスト一人一人が最高に輝いていました。
上手く自分を表現できなくてよく隅で涙を流していたり、自分はダンスが下手だからペアの子に迷惑をかけてしまうと落ち込んだキャストも、皆その壁を乗り越え、今までで1番の笑顔で舞台に立っていました。
また、ソロをはじめ、キャスト一人一人が自分の役に真剣に向かい合い、練習に励んでいたその成果が様々な部分で見られ、とても嬉しかったです。
特に最後の最後まで役にこだわって妥協しなかった『名もなき我が祖先よ』の朗読の二人、たくさん練習したくさん悩んだ分、呼吸と気持ちが一つになっているのが伝わってきて、涙が溢れてしまいました。
努力は裏切らない。
頑張った分だけ報われる!!
これは12期スタッフからかけてもらった言葉ですが、私自身が体感する前に舞台のうえのキャスト達がそれを証明してくれたように思います。
私は今回キャスト外スタッフという立場で参加したので、皆と同じ舞台に立ち、同じ感動を味わうことはできませんでしたが、100日の始まりから今に至るまでの皆の歩みと、最後に完成した舞台を客席から見ることができて、とっても贅沢でした。
本当に良かった!!
最高の舞台をありがとう。
◆マイク隊(※1)サポートを通して
千秋楽。
最後の舞台ということで、本番前の舞台袖は慌ただしく、舞台奥で準備運動するキャストや、マイクを付ける前から額に汗を滲ませるマイク隊から緊張感が伝わってきました。
本番が始まると、舞台に立っていないキャストも舞台袖で歌ったり踊ったり叫んだり、104人が一体となり、とてもいい雰囲気が作られていました。
マイク隊を担当してくれていた音響の金さんは、楽しそうに仕事をしながら舞台から聞こえてくる歌を口ずさんでいました。
舞台袖や奥の方には私と同じように舞台を見守るブラックスピリット(※2)の姿があり、この舞台の成功を願い、そして13期キャストを支えてくれている人が本当にたくさんいる事を改めて感じました。
今までたくさんの壁にぶつかってきた13期だけど、こんなにたくさんの人たちに支えられて成功しないわけがない!
アンコール、どこからともなく現れた総合演出、プロデューサーの3人が舞台袖で楽しく踊っているのを見て、私も金さんと一緒に舞台袖に駆け寄り歌いました。
ミュージカルを作る100日間は決して楽しい事ばかりではありません。
悩んだり壁にぶつかったり、上手くいかなくて途方に暮れたり。
それでもその悩みだったり苦しみが最後に喜びを与えてくれる。
乗り越えるのは自分だけど、それを助けてくれる人がいて、支えてくれる人がいる。
今回、キャストでもなく観客でもなく、マイクサポートという形で、舞台袖で千秋楽を迎えましたが、観客席では味わえない舞台袖の空気や、キャストの時には気付けなかったブラックスピリットやコアスタッフ、舞台を支えてくれている人たちの笑顔に気付く事ができました。
今までコモンビートを支えてきてくれた全ての人に感謝して。
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※1 マイク隊:ソロなど、舞台上でマイクを付けて出演しているキャスト達の総称。
※2 ブラックスピリット:パネルや大道具を舞台裏で操る影のキャスト。