プロデューサーコラム:005「恩の返し方」 | NPO法人コモンビート
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プロデューサーコラム:005「恩の返し方」

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顔合わせも配役発表も終え、
練習では次々に各シーンの導入をしていきます。
キャストにとっては新しいことを次から次へと覚えていくので大変ですが、
それを進めていくスタッフも限られた時間、人数でリードするので、
準備も当日も大忙しで、てんやわんやです。


その状況を知ってか、知らずか、
練習には今までの経験者がサポートが来てくれることが多く、
先日も16期のキャスト中心に大勢が練習に駆けつけてくれました。
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彼らは自分達の時の恩返しとして、
次の期、新しいキャストに対してサポートしたいと言い、
遠方にも関わらず、来てくれてます。
見返りを求めずサポートする姿は
非常に献身的で、行動も積極的、見ているだけで気分が良く、
自分もそうありたいという気持ちにさせられます。
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誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、
別の人に送ることを『恩送り』と言います。
この慣習は古くからあったそうで、江戸時代ではそれをするのが当たり前とされ、
そうしない者は「無粋なヤツ」と見られてしまったようです。
受けた恩を別の人に返す、
その恩を受けた人がさらに別の人に…と、
繰り返され、善意の連鎖となっていきます。
自分の好意が直接自分に返ってこなくても、
それが広がり、続いていると思うと嬉しいものです。
また、そう思っていれば、
自分がせっかく相手にした好意に対し、
ぞんざいな扱いを受けたとしてもイライラしません(笑
日々のニュース、国際情勢における各国のやりとりの様子を聞くと、
目先にとらわれ、利己的過ぎではないか?と思うことがあります。
「外交カード」のような表現をひとつにしても、
当事者とは別の意思で物事が決められ、
道具のように扱っているような印象を受けてしまいます。
もちろん、そこにはそれぞれの主張や、
簡単にはいかない事情もあるとしても、
当事者の気持ちを想像するといたたまれません。
自分も利己的になってしまうこともありますが、
今ある社会は先人が私達に与えてくれた「恩」、財産です。
既に故人となった彼らに直接恩返しをすることはできませんが、
こういった考え方・風習も受け継いで、次の世代に送っていきたいです。